2009年2月13日金曜日

【お片づけとソリューション】

モノやサービスを売るビジネスから、ソリューション(お客様の問題解決)を提供して成長発展をするというビジネスがふえてきています。ソリューションは整理と分析を背景にした企画提案力、プロデュース力です。

しかし、そんなビジネスソリューション提案力は高めるために、まず身の回りの整理をしたほうがいいという話です。整理できない理由を考えるのではなく、どうやって整理するのかを分析し、個々人の「Mind Change」を含めソリューションを考えていかなければいけないと思います。

■佐藤可士和さんの話

佐藤可士和(さとうかしわ)さんという方がいます。ユニクロ、docomo、キリン極生、SMAP、NHKの番組、国立新美術館、明治学院大学、病院まで幅広いクリエイティブディレクションを手がけているアートディレクターです。そういう企業、団体の「ソリューション」を考える方が「佐藤可士和の超整理術」という本を出しています。その本に、こんなことが書かれてあります。

「整理することと、問題解決は別のものだと思っている人が多いのではないでしょうか。整理は事務的な作業、問題解決は別の次元のクリエイティブな作業だ、と。 そんなことはないのです。整理と問題解決は、実は同じベクトルでつながっているのです。」

「数多くのクライアントといろんなプロジェクトを進めて、なぜアイデアが尽きないのですかと質問されます。 それは、”答えはクライアントの中にあるから”です。 それを引き出すために、相手の思いを整理することが重要なのです。」

つまりソリューションというのは、思考の整理だということだということです。

そして、整理には3っつのレベルがあるといっています。

「1、空間の整理、 2、情報の整理、3、思考の整理。 どれも基本は同じですが、1から3になるに従って難度はあがっていきます。 まずは机周り、PC、オフィスなど身の回りの空間をすっきりさせることから始めなければならないと思います。 なぜ整理の徹底が必要かといえば結局それが仕事のスピードをあげることにつながり、そして、仕事上のあらゆるリスク、トラブルの回避にもつながるからです。」

■ビジネスソリューション力を高めるために

問題の本質がみえなくても、勘や勢いや運だけでなんとか乗り切っていける時代は終わりました。ソリューション力を高める=思考の整理力を高める=まずは空間の整理力を高めソリューション企画のトレーニングをする。 体をつかってソリューション力を高める=それがお片づけです。

自分の整理ができなくて、他人の整理=ソリューションが考えられるとは思えません。仕事に追われるのではなく、仕事を創り出し、コントロールするために、まず身の回りをコントロールして下さい。忙しいから整理ができない、というのは発想が逆です。

■具体的なお片づけの方法手順

具体的な整理の方法も可士和さんが示してくれてます。

    1.可視化してアイテムをならべる
    2.プライオリティをつける。
    3.いらないものを捨てる。

佐藤可士和の超整理術 (日経ビジネス人文庫)



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2008年6月12日木曜日

【DVDを売るクリーニング店】

情報をメディアがコントロールできる時代は終わりました。疑り深くなった消費者はメディアが発信する情報の真偽を確かめる道具をもち、アクセスできる情報量は爆発的に増加しています。

不特定多数のコミュニティに容易にアクセスできる環境にあり、きっと口コミのほうに信頼を置いている人も増えていると思います。こんな環境の中で、金儲け的な”事業モデル”は、すぐに見透かされます。消費者は簡単に囲い込みなんかされたくないと思っているはずです。

そんな中で重要になってくるのは、発信者であるメディアが、どれだけ高い志をもっているか、どれだけ徹底的にユーザー満足や感動を与えようとする真摯な姿勢をもっているか、にあるのではないかと感じています。各種企画でも事業開発でも宣伝販促でも「そんなもんでいいじゃない」、、ではきっと共感は得るには至りません。お金の多寡ではなく「そこまで突き抜けてやるの?」、「そこまで考えてくれたの」ぐらいの徹底した取り組みの積み上げが共感と信頼に繋がっていく時代なのではないかと思います。

最近の傾向なのか、いくつかの本でそんなヒントになるようなエピソードを読みました。「明日の広告」という本にも、そんな徹底した話がたくさんのっていました。ほか「ビジネス脳を磨く」という本の中にも「DVDを売るクリーニング店」の面白いエピソードがありました。かいつまんで紹介します。

当たり前ですが、クリーニング店は普通DVDを売りません。しかし、そのクリーニング店の店主は映画が好きで、自分が感動した映画が、いかに素晴らしいを切々と書いて、その独自解説レポートを特典にしてDVDを正価で売ってみたそうです。すると、それに感動したお客さんが、次々と注文し、売上記録を更新しているという話です。 当たり前ですがクリーニング店のおやじは事業モデルの発想はなかったはずです。

そのクリ-ニング屋の別エピソードものっていました。あるときお客さんのシャツのボタンがとれていた。店主はお客様へのサービスの気持ちで、そのシャツのメーカーに電話で問い合わせ、ボタンを取り寄せようとしました。しかしメーカーは当初そっけない対応だったそうです。でも店主はあきらめず、今度はA4用紙にびっしり、なぜこんなことをしているのか、自分のクリーニング店の理念やこだわりを切々と書いて、是非協力いただけないか、という手紙を送ったそうです。

すると、その手紙を受け取ったメーカーが手紙に感動して社内で回覧、サンプルのボタンを探し出してクリーニング店に送ったとのこと。 すると今度は店主が感動して、そのことをお客さんへのDMで紹介しました。そのとたん、お客さんから「感動した」、「あんたは偉い」、「あなただったらやると思った」などの声やファックスが相次いだそうです。中には店主が電車に乗っていたら、すりよってきて「感動しました」と声をかけてくれるお客さんまでいたそうです。

当たり前ですがクリーニング店のおやじはお客様を囲い込もうという発想で行動した訳ではないはずです。

こんなところにビジネスの可能性がないでしょうか。損得計算をいくらやってもユーザー満足にも社会貢献にも繋がらないかもしれません。
感性とロジックのバランスをどのようにとっていくか、ここらへんの模索が重要だと思っています。

(参考)
「ビジネス脳を磨く」http://www.amazon.co.jp/dp/453226006X/
ビジネス脳を磨く (日経プレミアシリーズ 6)

「明日の広告」http://www.satonao.com/publish/ashita.html
明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)

ほか、メガネドラックの店には「売上を競うな、サービスを競え」という額が掛けてあります。誤解をされては困るのですが、結構、共感する言葉です。
http://www.meganedrug.com/company/service.html


2008年3月21日金曜日

【「ミーハー心」と「プロ魂」】

■創造性の条件

ある人は「高い創造性を発揮し続けるクリエイターに共通する特徴は好奇心である」と言っています。( http://www.insightnow.jp/article/588 ) このサイトで紹介されている糸井重里さんも秋元康さんもキャラメルボックスの加藤昌史さんも「あれこれ面白いものを探して、なんにでも興味を示して、すぐに手を出してみる、何事も純粋な気持ちで受け止める」こと(ミーハーな姿勢)が創造性の源泉であると分析されてます。

ビームス社長、設楽洋さんの信条は「時代にフィットし続けるミーハーさ」と言っています。( http://www.ifs.co.jp/news/column_200403.html) ビームスは1976年、原宿で産声を上げて以来、一貫してミーハーな姿勢を貫いてきた。。。そして社長曰く「動いている今という時代の空気を読むこと。これはファッションに関わる人間にとっての必要条件と言っていい。「時代にミーハーであること」に自覚的なこと。時代の流れを読んで、半歩先駆けて新しいモノ・コトを提案していく。ファッション・マーケティングの基本的なる姿勢である」と。

その他、坂本竜馬やモーツァルトやスピルバーグの人物像を検索してみると、ミーハー的なエピソードが沢山あります。坂本竜馬は会う度にマイブームが変化していて、まわりが閉口した、、とか。西洋、輸入品、拳銃、革靴大好き、日本人で始めて新婚旅行とか。。

優れた文化も実は、ミーハー的文化ではないかと勘ぐっています。たとえば,江戸時代.世界史の中でも優れた教育水準と独創的な文化をつくった時代であり「江戸っ子は宵越しの銭は持たぬ」とか「火事と喧嘩は江戸の華」な感性を持ちながら、歌舞伎、浮世絵、落語行楽、多様な食文化をつくった時代です。

こんなことを考えると創造性の条件として、ミーハーで旺盛な好奇心という気がしてきます。これこそが時代を創るクリエイターの素質なのではないか。

■「伝えるお仕事」の要件 = 「ミーハー心」と「プロ魂」

伝える仕事でもミーハーな好奇心は重要そうです。主にファッション業界で広報PRを専門に扱う「アタッシェ・ドゥ・プレス」という仕事をしている会社の代表である伊藤美恵さんの話があります。

情熱がなければ伝わらない!アタッシェ・ドゥ・プレスという仕事 (NB Online books)

この本の中で伊藤さんは、自らの「伝えるお仕事」=「ブランド戦略やPR戦略を考え実行する仕事」に必要とされる要件として次の3つのことをあげています。

 ・クリエイター、経営者、企業という送り手側の意識を完全に理解する
  「プロ魂」をもって取り組むこと
 ・一方で、世の中の気分を感じ、「ミーハー心」を抱く一人の消費者
  としての目線を決して失わないこと。
 ・そして、この送り手と受け手という相反する両極の立場を常に自分の
  中に同居させていること。

つまりは「プロ魂」を持ちながら、同時に「ミーハー心」を抱いた消費者であり続けることが「伝え手」の絶対条件であると言っています。

プロだからといって時代の一歩も二歩も先に行くことだけを目指しても、マーケットのニーズと乖離していれば自己満足で終わる。むしろ「ミーハー心」をもって、世の中の空気を感じながら、時代に寄り添い、半歩先のモノ・コトを提案していく力をつけていくことが重要である。

創造性の条件、伝え手としての条件としての「ミーハー心」と「プロ魂」の話でした。

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2007年8月9日木曜日

【メディア環境変化について】

放送メディアを取り巻く環境の中で例えば以下のような事象が起こりつつあります。

◆2011年完全デジタル化
放送メディアをとりまく環境面で特に大きな節目になるといわれているのは2011年のアナログ 地上波放送終了→完全デジタル化です。これに伴って大型ハイビジョンデレビの普及は加速するでしょうし、デジタルテレビ上でのネットサービスも増加すると予測されます。地上波やBSの帯域再編に伴い新チャンネルの参入や再編が進むと思われます。

◆ケータイのメディア化進展
携帯端末の多機能、高性能化、高速大容量化、オープン化が進んでいます。ワンセグに加え携帯上の新しい放送型サービスの準備も進んでいます。いろんな機能やサービスを組み合わせながらケータイのメディア化は更に進むと思われます。

◆ネット上での新しいメディア、サービスの普及進展
動画共有サイト、動画配信サイト、SNSなどは既に普及定着し、今後、仮想空間を含め更なるリッチコンテンツサービスやコミュニティサイトが立ち上がってくると予測されます。

◆広告市場の変化
景気回復にかかわらず日本の広告市場は2000年をピークに、その水準を越えられないでいます。 一方でネット広告はラジオを抜き、雑誌媒体に迫りつつあります。(しかしヤフーは踊り場?です)。広告クライアントの厳しいメディア選択が始まっている可能性があります。

これらの一つ一つの事象に対して右往左往しても仕方ありませんし、悲観的になる必要もありませんが、大きなトレンドを見逃さず、手を打っていく必要はあると考えています。

■メディア利用スタイル、ユーザーニーズの変化への対応

最も重要なことは、こうした変化の中で、受け手のメディア利用スタイル、ニーズがどのように変化していくかという視点だと思います。「徹底したユーザー目線」で考える必要性です。

ユーザー視点からテレビ、モバイル、PC、リアルな場、モノ、その組み合わせによって、どんなコンテンツやサービスを企画開発していくかというアプローチが必要であると思います。初めから多メディア展開を前提にしたコンテンツ制作に方法論を変えていく必要があるのかもしれません。

もちろん、どこで儲けるかという戦略も重要です。受け手のメディア接触スタイルが変化すれば、広告クライアントのニーズも変化するでしょうし、コンテンツ課金などの収入源にも影響が及ぶと思われるからです。

メディアの多様化、ユーザーニーズの変化が進んでいく中で、新しいトライアルをしないことのリスクが高まっている状況であると考えます。

どこにどうやって進出していくか。人やお金という限られたリソースをどう配分すべきなのか。他社との連携や協業をふくめ足らないリソースをどこから獲得するか。

事業の成長を続けるためには、こんな変化と課題認識をしつつの議論と取り組みが大変重要なものになるのではないかと感じます。俯瞰的に事業のあり方を見直す好機でもあると思います。

2007年7月21日土曜日

【ブランディングについて】

今回はブランディング推進について少しふれてみたいと思います。

■統一感あるブランドメッセージの重要性

企業や商品のブランディング訴求にするためには、ブランドをを連呼するだけでは、ユーザー獲得や収入獲得などの成果につながるとは限りません。重要なのは、ブランド主体たる”我々”は何者か、というメッセージだと思います。「○○といえばXX、XXといえば○○」と相互に想起される状態を確立していくことがブランド戦略上の目指すところだと思います。

反対にそれが定まらないと、個別企画のコンセプトも定まりにくく、統一感も出しにくい=効率的な訴求ができないということになってしまう思います。

■ブランド戦略とは何か

ではブランド戦略の本質は何か、これは一言でいえないほど広範囲な概念であると思います。企業姿勢、企業活動の全てがブランドを構成する要素であるからです。コピーやデザインなどのパッケージは、重要ですが、ブランドの一要素であり、且つそれらも企業姿勢、企業活動、企業戦略と整合をとってデザインされるものであると考えます。

そして更に企業姿勢、企業活動、戦略のあり方を考える出発点が、経営理念です。

したがって、ブランド訴求に関しても、経営理念、企業姿勢、企業戦略から落とし込まれていくべきメッセージが表現されるべきであると考えます。

■ブランド確立において重要なポイント

上述したとおり、ブランド訴求においてコピーやデザインなどのパッケージは重要ですが、それだけでは成立しません。一見、ブランディングというと派手そうな活動に思えますが、実はブランディングに重要なことは地道なルールづくり、ルール遵守の側面があると考えます。大量のお金を派手に投下しても統一感がなければ、一過性でバラバラな活動の集積になるだけで終わる可能性があります。

伊勢丹ブランドに関する本がたくさん出ていますが、伊勢丹のブランドのコアは徹底した理念の浸透と現場におけるルールの徹底のようです。決して優れたコピーワーク、広告内容だけではないようです。

棚60cmにいくつまで商品をおいて良いか、気温に合わせてどういうディスプレーをするか、目的を明確にした店舗改装をどういう判断基準で行うかというルールが経営陣から現場まで徹底されているようです。だから例えば社長が現場を回っても細かいディスプレーに関する改善指示までできるそうです。

伊勢丹だけがなぜ売れるのか 誰からも支持される店づくり・人づくり

こんなことを考えると、本当にブランディング活動を効果あるものにするためには、具体的な企画実行と同時に、ルールや業務の見直しを含め会社のオペレーションの最適化まで及ぶ、意識をもつことが重要であると感じます。


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