2010年2月24日水曜日

【モチベーションについて】

どんなに厳しい環境下でも、スタッフがモチベーションを高めながら目標に向けて主体的、積極的に行動していくことが重要です。そんな中で「ターゲットが高すぎるのでモチベーションが下がる」という話もでてくるかもしれません。 しかし、目標の高低とモチベーションの高低に相関関係はないと思っています。

”位置づけ”と”見通し”

以前、人事コンサルさんに以前からの個人的な疑問を尋ねたことがあります。「なぜ同じぐらいの時給で働いているはずなのに、居酒屋によって、スタッフが活き活きして、よく気がつく店と、どんよりとした、感じの悪い店があるんでしょうか?」と。 コンサルさん曰く「2つポイントがあって、その店が、従業員に仕事の”①位置づけ”と”②見通し”を示しているか否かですよ」ということでした。

確かに「とにかく皿洗いをやっておいて」という店と、「キレイな食器でお客様に喜んでもらいたい」、「頑張ってくれたら、次はサラダ担当にするからね」、「将来は自分の店が出せる道もあるよ」という店で、どっちがスタッフが頑張るかは明らかです。

ドラッカーという人の本には次の中世の逸話がのっています。

ある人が工事現場の脇を通りかかり、汗を流して働いている数人の石工に「何をしているのか」と問いかけました。

1人目の人はこう答えました。
「これで食べている」。

2人目の人は手を休めずこう答えました。
「国で一番腕のいい石工の仕事をしている」。 

最後の人は目を輝かせて答えました。
「教会を建てているんです」。 


人によってモチベーションの拠り所は様々でしょうが、自分のやっていることを、どう位置づけるのか、意味づけているのかのかはモチベーションに大きく関わる問題であると思います。

阪神タイガースの話

では、メンバーの仲がよくて、職場が和気あいあいとしていればモチベーションが高まるかといえば、そんなこともありません。もう一つの話です。

2001年まで4年連続最下位の阪神タイガースでは当時、敗戦翌日のチーム内は「あのコースを打たれちゃ、しょうがない」、「その投手のフォークのキレじゃ、追加点は無理だよ」という慰めあいの言葉ばかり。試合中に誰かが失敗しても、例え、それが怠慢プレーであったとしても「ドンマイ」と声をかける。 自分の失敗に保険をかけるために互いが馴れ合い、目標達成の意識が著しく欠けていたということです。 

こういう停滞した雰囲気を一掃し、各々の意識を目覚めさせ、士気を向上させたのが星野監督で、2003年に18年ぶりの優勝に導きました。

皆の仲がよくて職場が和気あいあいとしている、というとよいことばかりとは限りません。それが馴れ合いの結果であるとすれば改善すべきです。上司や部下が自分の逃げ場所をつくっておくために、真剣に議論せず、明確な答えを出さず、厳しく接していないのであれば、いずれ組織は腐っていきます。そういう状態になってはじめて、目標未達成も引き金になって、モチベーションも下がっていくということだと思います。

CFR Clear、Fair、Reasonable )

昔、ある偉い方が幹部会議で毎回次のようなことを言っていました。「モノゴトを判断し、進めていくときに、それが“Clear、Fair Reasonable”であるかどうかを常に問うことが重要だ。略して“CFR”。 

モノゴトをクリアに理解されないままで進めるべきではありません。誰かにやれと言われたのでやっていますというのは思考停止です。平等である必要はありませんがフェアであるべきです。リーズナブル(理にかなっている, 筋道がたっている)な判断であるのかを常に問うべきです。そして、それをスピード感をもってさばいていく。

どんなに目標が高かろうが、厳しかろうが、明確で透明性がある合理性なアプローチをとリ続けていれば、組織は腐りません。 「とにかくやれ」という不明確で、不明瞭で非合理的な指示こそが、やる気をそぐと思います。

これは上司も部下どちらか一方の原因ではありません。 「とにかくやれ」という上司も悪いですが、「わかりました」と素直に従う部下も悪いということです。それを改善していくために、会議のあり方や意思決定のプロセスの改善が必要です。

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星野さんの話は、以下の中に話があるらしいです。(読んでません)

迷ったときは、前に出ろ!

http://www.utobrain.co.jp/review/2002/121600/


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2010年2月12日金曜日

【カネがなければ知恵を出せ】

昨今、メディア業界、あまりいい話は聞けません。電通さんの売上もテレビ、雑誌中心にがんがん落ちて、営業利益も前年度半減になっています。 http://www.dentsu.co.jp/ir/index.html
音楽ソフトも前年割れ、音楽配信も伸び悩みです。当然音楽業界全体のお財布も寂しくなります。 http://www.riaj.or.jp/data/index.html 

しかし「世間は不況だといって自分まで不況だと考える必要もなく」、過度に暗くなる必要もありません。とりあえず命にかかわる問題がないことだけでもこの上のない幸せです。 
先を心配してもしょうがないので、体力があるうちにコスト効率を高め、ソリューション力をつけて、新しい収入源を獲得し、メタボ体質を脱却し、スピード感ある筋肉質な経営体制をつくる、そんな、またとないチャンス到来ともいえます。

「やったほうがいいこと」にはお金は使えなくなり、「やらないと駄目なこと」、「絶対やるべきこと」にしかお金と人を使えません。 お金を使うことに緊張感が必要になります。多少不便なことが起こります。失うものもあると思います。目の前のチャンスを逃すかもしれません。 これまでと同じやり方に固執できないかもしれません。

でも与えられた条件の中で、やるしかありません。お金がない前提でも、知恵と工夫で成果は出せます。人のお金をふんどしに相撲をとる、他社と一緒に費用半分で同じことをやる、広告出稿はやめてお金のいらないクチコミマーケティングにトライする、高いお店の接待はやめて安くてうまい焼き鳥屋を開拓する、急ぎのタクシーをやめるために会議や仕事の時間をちゃんと管理する、一つのイベントをマルチに展開する、、等々、これまでやれてないこと、できてないこと、つきつめてトライしていなかったこと、チャレンジすべきことが必ずあります。 

個人の観点から言えば、お金をもらって楽しいだけの仕事ができるはずもありません。選べない上司や限られたリソースなどいろんな制約条件の中で、成果をあげるからこそ給料がいただける訳です。 そんな苦しみの中でも人に貢献できるからこそ、楽しく充実した気持ちになれるということだと思います。

我々の給料は最終的にはユーザーさんから頂いているという認識をすべきです。組織が悪い、上司が悪い、部下が動かない、予算がない、待遇が悪い、など社内的な問題はユーザーには関係ありません。お金を出してくれるユーザー一人一人に喜んでもらうために、どんな価値をお返しできるのか? それを真摯に考え続けるべきです。

江戸時代の浮世作者であり商人でもあった井原西鶴は言っています。「金がなければ知恵を出せ 知恵がなければ汗を出せ」と。 幸福論のアランは言っています。「悲観は気分、楽観は意志」だと。 ニーチェは言っています「脱皮できない蛇は滅びる」。



2010年2月4日木曜日

【時間資源と会議成果】

以前、会社経営にとって重要なリソースはヒト、モノ、カネです。そして経営とは、そのリソースをどう調達して、どこに配分していくかの意思決定の総体であるとお話しました。

会社が変化をしていくときには、この意思決定のあり方の重要度が大きくなります。多くの物事をスピード感をもってロジカルに決め、着実に実行していく必要があるからです。

ロジックや数字よりも、コンセンサスや個人の思いや義理人情に重きがおかれ、その結果、「言った、言わない」の議論で時間を費やし、コンセンサス醸成にかなりの時間を割くことになると意思決定のスピードが遅くなります。ロジックとプロセスの共有が希薄なため、ブラックボックスが増え、しかも決定事項はファジーになりがちです。

先回ご紹介の大曽根語録にあるとおり「上司がファジーだと、部下はビジーになる」事態が多発します。

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個人にとって最も有限で重要なリソースは「時間」です。ビルゲイツにも我々にも1日24時間というのは平等に与えられています。成果を生むも生まないも時間の使い方次第です。

その意味で、個々人が何に時間を使っているかということに対して、意識的であるべきです。どういう成果に結びついている時間なんだろうか?と常に問うべきです。 更に特にマネジメントにたずさわる人は部下の時間の使い方にセンシティブでなければいけないと思います。

コンセンサス社会では、会議が多く、長くなりがちです。意見は言い合いますが結論はあいまい、個人的な感想は多いですが、実体的な課題解決策の提案は少なくなります。会議の目的と内容と仕切りを見直し、成果の出る会議を増やすべきで、成果のない会議にとられる時間と頻度は削減すべきです。特に物事を決めない会議で時間を奪われるのは、大きな損失です。

少なくとも会議で皆が集まるとすれば、そこで会社の課題や問題点が抽出され、共有化され、「誰が、何を、いつまでにやるのか?」ということを一つ一つぶつけて、都度都度で判断し、そのプロセスを透明化することが、意思決定の品質を高め、スピードを速め、人を育て、組織力を高めることになると思います。 それが会議議長やマネジメントの役割です。

ロジックや環境が変化していけば一旦下した判断もかわるかもしれません。でも、それは当然のこととして許容すべきだと思います。全てが把握できるまで判断しなければ、何も決まりません。(但しギャンブルではないのでロジックなくして判断だけを迫るのは、ビジネスとしては許容されません) 。 その意味でも決定プロセスの透明化は重要です。

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本質的な付加価値は社内、ましてや会議室の中にはありません。外からもってくるものです。
人に会う、本を読む、資料を調べる、現場をみて感じる、ユーザーとふれる、一人で考える、、そこに時間を割かないと成果は高まらないのではないでしょうか?

「会議を渡り歩いて仕事をしているつもりになるな」です。

フルスピードで考え行動しなければいけないときに、ムダな会議への出席は時に暴力的です。最近出た本で「吉越式 会議」というのを読みました。吉越さんというのは元トリンプ社長で19年連続で増収増益を達成した人です。 なぜそれが出来たのか、その最大要因は「会議」にあったと言っています。 会議のレベルが高まれば、経営のレベルも高まるはずだと。

意思決定の質を高める方策として「会議のあり方」見直しは管理職を中心としながらも全員で意識すべき重要課題ではないでしょうか? 簡単にはかわらないかもしれません。でも、どう改善すべきか、考えていきたいと思います。



2010年1月26日火曜日

【ソニーの大曽根語録】

経営には逆風がつきものです、メディア業界においても大手の地上波局、広告代理店などが苦しんでいる中で自分たちに何ができるのか、、と控えめ、後ろ向き、に考えるひともいるかもしれません。「時間が足りない」、「お金がない」、「クリエイティブ力が足らない」、「マーケティング機能がない」、「プレゼン力がない」、「分析力がない」、「マネジメント力が足りない」、「クライアントに入りこめていない」、、、などなど、できない理由は際限なく出せます。 

「もっと新しい技術や世の中を研究すべきだ」、「今の事業だけでは食っていけない」、「まだ、やり方はあるはず」、「そのやり方で勝ち目はあるんですか」、、など個人的見解や楽観的な期待、悲観的観測や他人事のような批評もいくらでもできます。

しかし重要なことはその次に続く問い 「So What?」です。
「だから、あなたは、どうすべきと考えているんですか」、「何を行動しているんですか」ということです。 意思と行動にしか価値はありません。それを集約して明確化することが重要です。「それは上の人が考えることだ、他部署のことは私には関係ない」、、という考えの方は成果をあげるのが難しいのではないかと思います。

先日NHKで「若者よ 心をぶつけろ~演出家・蜷川幸雄 格闘の記録」という番組をみました。蜷川さんが無名の若手俳優と劇団を作り、若者たちを追い詰め、厳しく指導し、旗揚げ公演に向けての真剣勝負に密着したドキュメンタリーです。 その中で、蜷川さんがパイプ椅子を投げつけて、若手に言った言葉が印象的でした。 「なんで売れているジャニーズのほうが、お前らより努力しているんだよ!」

どうすれば成果を獲得できるのかをつきつめて考えず、大事な行動を後回しにして、それでも疑問なく1年後も給料をいただけると考えているとすれば、相当の「大企業病」に蝕まれているかもしれません。 

■ソニーの大曽根語録

そんな中、ソニーでウォークマンやディスクマンの開発設計を指揮し、生産戦略の責任者としてソニーの全盛期を支え、ソニーの現場から慕われ、活気ある風土をつくったコアメンバーの大曽根さんの本が売っていたので読みました。

急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め―ソニー元副社長・大曽根幸三の成功金言53 (角川SSC新書)

「会議を渡り歩いて仕事をした気になるな」、 「プロは乾いたタオルからでも水を絞る」、「やる気のあるヤツは可能性から発想するが、いくじのないヤツは不可能から発想する」、「ブレストは結論がでるまで帰るな」、「できないと言うなら、できるやつと変えるだけだ」、、、そんな大曽根語録が解説つきで書かれています。




←こんな人です。駄洒落好き。








我々はつきつめた議論をしているでしょうか? 無理だと思われていることをあきらめずに説得し、部下を励まし、まわりと協力し、しつこく議論し、めげずに頑張らなければ成果はでません。 「こんなもんでいいか」で人に感動を与えることも、共感を得ることもできません。

「出来ない理由や出来なかった言い訳をクドクド聞いても時間の無駄だ。あらかじめ言い訳集を用意して番号をつけておくから、言い訳があるなら番号で言え」。大曽根さん会議で使っていた「言い訳集」もその本にのっていました。

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「大曽根語録」抜粋

●社内ニーズを吸い上げすぎてはヒットせず
諸品知識や現場を熟知しない上司は思いつきで勝手なことをいう。

●困難は可能なうち、不可能は割り切れ
できないことの議論は不毛。できることに集中し、解決策をもつけろ。

●プロは難しいことをわかりやすく説明する。
中途半端にしか理解していない素人の説明は聞くだけムダ。

●三日坊主は4日目には開き直る。
根性のない人間は、言い訳も多い。

●ヨットは逆風でも進む。
世間が不況だからって、なぜ自分たちまで不況だと
思わなければならないのか。

●絞った知恵だけ、付加価値が生まれる。
商品企画の際には、2日でも3日でもテーマについて徹底に
考えされることが重要だ。

できない理由は、できることの証明だ。
なぜできないか具体的な理由を浮き彫りにする。
ヒットは無理難題の賜物。

●目標は単純明快に。
いろんな機能がついていると一見便利なようだが、
かえって顧客層が絞れずに売れない。

プロは乾いたタオルからでも水を絞る。
素人が無理でも、プロには知識と経験がある。方法はある。

●急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め。
優秀な人間に仕事が集まる。暇な人間は後でやろうとほっておく。

●小心者ほど言い訳がうまい。
気の小さな人間や本質をわきまえてない者ほど、よくしゃべる。

●やる気のあるものは可能性から発想する。執念のない者は
 不可能から発想する
できないやつには、その人を活かせる別のポストを探してやる。

●上司はファジーだと、部下はビジーになる。
定見がなく防波堤にならないから下がてんてこ舞いをする。

●部下は上司の思うとおりには育たず、上司のやるように育つ。
部下も子供も口で諭して育つなら苦労はない。上司の言うことは
聞かないがやることは、ちゃんと真似る。

●山より大きなイノシシなど出たためしはない。
先の心配ばかりしてもしょうがない。命をとられる訳ではない。
世の中、そんな大したことは起こりはしない。
選手を励ますネアカな監督こそ組織には必要。

ブレーンストーミングは目標達成までやれ。
具体的なテーマでブレストをやる。結論がでるまで帰らない。

●情報は意思決定できる人に与えよ。
アクションにつながらない情報提供は時間のムダにしかならない。

100回の講釈より1回の成功体験。
小さいことでいいから、ちゃんと目標を与え、達成する喜びを体験させれば部下は伸びる。

無理をしてでも良循環に入れ。
業績が悪化したときは、無理矢理にでも軌道修正して良循環に持ち込む。

他社の動きを気にするのは負けのはじまり。
ト ップを目指すべき。自信をもてるような努力をすべき。

信用は蟻の一穴から崩れていく。
つい見過ごしてしまう小さな部分が新しい発見にもつながるが、
とんでもない被害にも及ぶことがある。

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2010年1月18日月曜日

【ロジックと戦略】

■「Twitter」

前回はTwitterについてお話しました。しかしTwitterは単なるツールです。それを活用するもしないも中身次第です。大学研究員や経営者、会社員、高校生などで数十万単位の”フォロー数”をもつ個人も多数存在します。企業だからといってユーザーが増える訳がありません。

危険なのはTwitterがはやっているから、とりあえずうちもそこで何かやっておこうか、、という考え方です。伝える中身と発信する個々人の情熱やクリエィティビティがなければ、寒いことになるのは目に見えています。

しかし、だからTwitterのことを知らなくていいということは話が違います。Twitterは単なる象徴です。メディア環境の変化を知らずしてビジネスはできないのではないかという話です。

前回もふれたとおり、10年ちょっと前には影も形もなかったGoogleやYouTubeやTwitterなどツールが急激に浸透しています。電波の希少性を前提に競争力を保ってきた放送モデルは崩壊しつつあります。

■「FREE」

週末「FREE」というビジネス本を読みましたAmazonランキング総合3位、ビジネス書で1位の本です。日曜の日経新聞の書評でも紹介されていました。

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

いくらコンテンツホルダーが抵抗しようとも、デジタル化されたコンテンツはいずれ無料化の方向への圧力がかかってくる。そんな中で、どこからお金を生み出すモデルが考えられるのかという話が展開されています。現在の地上波デレビが無料モデルです。我々は視聴料をテレビ局に支払わない代わりに購入する商品の中で、テレビ視聴料を間接的に負担しています。もちろんGoogleにもお金を払ってません。しかしGoogleは莫大な利益を稼いでいます。どうしてでしょうか?

課金モデルや広告モデルだけがビジネスモデルではありません。どこで儲けるのか効率的なのか? ゴールドラッシュで確実に儲けたのは、金を掘った人ではなく、ジーンズメーカーなど周辺ビジネスでした。 海外アーティストの中では、CDをライブ興行のプロモーションツールと位置づける例もでています。1円パソコンはなぜ成立しているんでしょうか?

■ロジックと戦略がなければ収益化できない。

ロジックや戦略だけでは、「ヒットコンテンツ」は生まれません。「ヒットに方程式はない」という言葉もあります。コンテンツへの理解と愛情、情熱があって初めてヒットが生まれる可能性がでてきます。自分が信じなければ感動を人に与えることはできません。

しかし「ヒットコンテンツ」があったとしても、もはやロジックや戦略がなければそれをお金に換えることすらできなくなってきています。 「FREE」の中では有料コンテンツの終焉について、その理由が分析されています。現在、音楽を知る手段は多様化し、情報にお金を払う必要もありません。海外アーティストの今をTwitterで即時に知ることができます。そして新しい音楽を強く欲する若年層の人口が激減しています。そんな中で、もはや感性だけではビジネスにならない時代になりました。 そんな中でメディアの価値は何なのでしょうか? これを真剣に考える必要があります。

会議室の中だけでいくら議論しても、解決策はみつかりません。基本を知らずに、いくらブレストしても付加価値のある答えは出てこないかもしれません。見識ある人に話を聞きにいく必要があります。本を読む必要があります。新しい知識を勉強する必要があります。それらは、全て会社の外から獲得しなければいけません。 会社として感性を大事にしながらも、状況を分析し、ロジックを組み立てていくことが戦略として重要になっていると思います。

忙しく仕事をすること自体に価値はありません。何かを生み出し、世の中に影響を与えることが出発点です。

外海に乗り出す準備は進めないといけません。船に水漏れがあれば塞ぐ必要があります。エンジンがへたっているなら、まずそれを補強しなければいけません。考えることが面倒だから、とりあえず甲板掃除をしときます、というのはもう成立しないと感じております。


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2010年1月7日木曜日

【メディア形態の質的変化】

2010年が始まりました。

ネット上では10年ちょっと前には概念すら存在しなかった様々な「メディア」が生まれています。BLOG、SNS、You Tube、Twitter、、、などなど。これらは質的な変化を伴いながらその影響力が飛躍的に高まっています。

端末もPCのみならず、i-PhoneやGoogleアンドロイド端末などが多機能化していきます。今後、更にネット対応化が進み、ネット上のメディアサービスや位置情報、個人情報などを相互リンクで活用しながらトータルとしての「メディア化」が進んでいくと思います。 そこではメディアの情報も個人の情報も同等同列に並べられます。当然、企業や政治、アーティストなど個人の広報宣伝手法も質的に変化してきています。

アメリカではオバマ大統領やCNNなどメディアがTwitterを始めて大きな影響を持っていたり、イラクの選挙など世界の情報はマスメディアよりTwitterのが早くなっている状況もあるようです。

日本でも新聞社や経営者、アーティストなどが”個人として”つぶやいています。鳩山首相もTwitterを始めました。今後テレビやライブ中継などでもTwitter的なひろがりと影響力は高まっていくことが予想されます。

http://response.jp/article/2010/01/06/134421.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0912/14/news073.html

そんな環境変化を見据えながら変化していく必要があるように思います

個々人の発信力への理解と実行もクロスファンクショナルに議論していくタイミングにきているのではないかと思います。朝日新聞や毎日新聞のTwitterでは、マスメディアらしからぬ個人的な「つぶやき」がかえって共感を呼ぶという事象があるようです。ソフトバンクの孫社長のTwitterをみると企業公式ではない気軽なコニュニケーションと人間がみえてきます。

企業のプロモーション手法も変化していく中で、メディアとして、どういうポジショニングをし、何を武器にして、どう貢献を果たして行くのか/行けるのかを考えないといけないタイミングがきたように感じます。「難しいことは、おいておいて、とにかくコンテンツを制作する、広告出稿する、、」ということだけを考えていては、いよいよ機能しなくなっていくように思います。コンテンツや思いをどう伝播させていくのか。


2009年12月17日木曜日

【選択と集中とは?】

成果をあげる為のリソースの最適な配分を考える基本が「選択と集中」という概念です。 

最近では国の予算を見直す過程で、「事業仕分け」が話題になっていますが、従来は官僚主導でいつのまにか国の予算が決まっていました。 その予算配分の過程まで政治主導で透明にして議論しようという試みです。これも限られた予算をどこにどう配分し、国家を良くしていくのか、という「選択と集中」の議論と捉えられます。どっかを削ろうとすれば、その関係者、関連団体がでてきて反対します。 全ての部分最適を考えると全体最適は達成できません。最後は首相の意思決定が必要です。

会社においても同じです。個々の部分最適で考えれば「やったほうがいいこと」ばかりかもしれません。しかし経営リソースは限られています。 経済が右肩上がりの時代には、効率を考える前に、とにかくリソースを大量にかつ全方位に投下しても事業を拡大することができました。しかし、時代は変わり、長期化する不況と個人の価値観多様化によって、売れるものと売れないものが二極化しています。顧客に支持されるサービスを提供するためには、顧客視点での付加価値を徹底的に高めていく努力が必要です。その為には、あれもこれも手をつける訳にはいきません。

企業は事業の継続と将来の成長に向けて、「選択と集中」が求められています。もちろん少ないリソースで最大成果をあげ勝ち残っていくためです。

「選択と集中」とは「費用の削減」という意味ではありません。 将来に向けて、勝つため、ナンバー1になるために、やるべきこと、リターンを得るための使うべき費用、投資すべき内容を決めるということです。

ある本に選択すべき理想的な戦略について、以下のような話がありました。

・たとえ儲かっても会社の価値基準に照らして満足できないことは
 やるべきでないし、逆に収益が不透明でも価値基準に合致すれば、
 実行判断もありうる。


・理想的な戦略とは、「やりたい事」と「やるべき事」と「やれる事」と
 いう条件が揃ったもの。

これら条件が揃うのはなかなか難しいことですが、それを合致させていける可能性がないものにはリソースを配分すべきではない、、ということもできます。


参考:選択と集中

All About http://kw.allabout.co.jp/glossary/g_career/w000996.htm
野村総研 http://www.nri.co.jp/opinion/r_report/m_word/sentaku_shuchu.html

2009年12月10日木曜日

【環境変化と漁法の点検】

先般、メディアに対するユーザーの意識の変化や市場環境の変化について、いろんな調査データを見ましたが、改めて大きな変化が起こっていることを認識しました。

例えば人口動態です。先般で日本の人口が約1億3000万人と説明しましたが、その年齢別の内訳をみると、たった10年で、激しく少子高齢化が進んでいることがわかります。これまで購買の中心といわれてきた34歳以下の層が740万人減少し、50歳以上が760万人増加しています。



人口分布の変化は最も予測しやすく、最も基本的なマーケティングデータですが、図をみて分かるとおり、突出して人口が多い世代が2つあります。一つは1947-1949年に生まれた団塊の世代810万人と、もう一つが1970-1974年に生まれた団塊ジュニア=960万人です。

こういった人口が多い世代はこれまで、いろんな流行を生む土壌になってきました。ちなみに団塊ジュニアは現在のアラフォー世代で20年前の女子大生ブームなどの主体となったバブジェネです。当然、数多くの音楽CDヒットを支えてきました。このバブジェネ世代のアラフォーはアラフィフに向かい、今後もまた何かのトレンドを生むはずです。 一方で、これから十年、若い世代の人口は更にどんどん減っていきます。 60歳前後の団塊の世代は定年を迎え、豊富な貯蓄と余暇時間で社会に大きな影響を与える始めています。 (ちなみ団塊世代は音楽アーティストでも矢沢永吉、小田和正、井上陽水ほか厚い層があります)

年齢や世代によって、メディアに対する意識も大きく違っています。高年齢層にとっては、いまだにテレビや新聞は日常の情報源の中心である一方、10代~20代では、もはや中心メディアは携帯でありインターネットです。メディアに対する接触態度も全く異なっています。例えば博報堂調査によるとお風呂に携帯を持ち込むことがある50代男性は1%ですが10代女性は33%です。テレビをみながらのケータイやネットは、高年齢者を除きもはや当たり前であり、全世代でその時間も確実に増加しています。

今後メディア業界、音楽業界は、どのような戦略で生き残っていくのかが問われています。その為に、ユーザー一人一人のニーズやウォンツを探り顧客志向を徹底していくことが重要です。 しかし加えて社会、経済、技術トレンドなどのマクロ視点での分析も必要です。なぜ同じことをしているのに成果が変わるのか、それは環境が予想以上のスピードで刻一刻と変わっているからかもしれません。 
ちなみに今週号の日経ビジネスの特集は「団塊世代」がテーマですが、その中で、堺屋太一さんが「企業経営者は若者ばかりを追いかけ、人口も少なく、消費力もないところに経営資源を投入している。」と指摘しています。 魚が少なくなった漁場で多くの釣り人と競争しながら漫然と釣りをしても成果は少なくなって当然です。 自分の得意分野を認識しながら、どこで、どんな魚を、どんな方法で釣るべきなのかを意識的、戦略的に考えることが益々重要になっていると思います。


2009年12月3日木曜日

【経営リソースと権限】

■経営リソース「ヒト、モノ、カネ」

会社が事業を遂行し、付加価値を生み出していく為には、元手が必要です。それを「ヒト、モノ、カネ」という言葉で表現されることが多々あります。 これを経営リソースの3大要素と言うこともあります。 (最近はこれに「情報」を加えて4大要素という場合もあります)

・ヒト=会社が抱える人的資産のことです。頭数という意味でも、
    それぞれのヒトが持つノウハウ、スキルというものも含まれます。

・モノ=設備、機材、消耗品、施設など業務に必要なインフラや
    材料などの物資です。システムなど無形なモノも含まれます。

・カネ=お金のことです。ヒトを雇うにも、活動するにも、モノを買う
    にもお金が必要です。

・情報=特に産業がモノづくりから情報産業にシフトする中で、知識や
    情報という無形な資産が競争力の源泉になっていることは事実です。

会社は、これら経営リソースを確保し、それを付加価値に転換して、最終的に利益という経済価値を確保する活動を行っていると言えます。 従って、「会社経営」とは、どんなリソースをどうやって、どのくらい確保するか、それを何にどのくらい使うか、誰にやらせるか、、等、、経営リソースの最適な配分を意思決定することだという見方ができます。

つまり鉛筆1本の購入でさえも会社としてのリソース投資であり、資金を配分する意思決定という意味では「会社経営」の一部分です。(もちろん経営に対する影響は軽微ですが)

しかし、もちろん、そんな意思決定までを全て経営執行の最高責任者である社長が行うことは現実的ではありません。 そこで重要度によって意思決定の権限を下の職位の人に委譲するシステムが必要となってきます。その決め事を「決裁規定」等と呼びます。 会社が運営上で意思決定が必要な項目を網羅しつつ、その重要度を金額基準によって、判断者のレベルを取り決めた会社ルールです。基準によって各職位に与える権限レベルを変えて効率的に意思決定をしていこうという仕組みなんですね。




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2009年11月26日木曜日

【利益とは何か?】

■何のために利益を追求するのか?

先般で会社の本来的な目的は価値を創造し続け、社会に何らかの貢献を果たすことだと説明しました。では社会貢献を目的としたボランティア活動も「会社」なのかといえば、そうではありません。会社は、社会貢献と同時に利益追求も求められているからです。

では、なぜ利益追求が求められるのでしょうか? この「なぜ利益をあげなければいけないか」についての理解やスタンスを持つことは、個々人が経営視点で判断するために重要なポイントだと思います。 「とにかく収益をあげればいいんでしょ」というスタンスは正しいようで正しくありません。

会社の利益とは、株主や経営者を儲けさせるためにあるんでしょうか?従業員にたくさん給料を払うためにあるんでしょうか? それは結果であって目的であるべきではありません。

ピーター・ドラッカーという人がわかりやすく言っています。

「利益とは世のため、人のための必要条件である」
  http://diamond.jp/series/drucker_3m/10161/

「利益とは保険料であり原資である」 
  http://diamond.jp/series/drucker_3m/10095/

会社がリスクをとりつつ、継続的に運営を行い、世のため、人のために、より大きな付加価値を生むための再投資を可能にするために利益が必要だということです。

もちろん会社は短期的には、株主や経営者から利益のコミットメントを求められます。しかし株主や経営者の本質的な要求は「将来に向けて、もっと成長してよ」、「もっと社会に貢献して付加価値をあげてよ」ということの筈です。従業員にしてみても、今期利益があがっても、将来投資を怠って2年後につぶれました、、ということでは困りますよね。

■売上・費用とは? 予算とは?その経営的意味

では、その利益を最大化していくためにはどうすればよいかといえば、収入を最大化し、必要費用を最小化することです。会計の公式的には、「利益=収入―費用」だからです。 従って利益をコントロールするために売上と費用のバランスを柔軟にコントロールする必要があります。

よく”費用を使っていいか、悪いか”の議論が、“予算があるか、予算がないか”の議論になることがあります。しかし実は、それはナンセンスです。 売上目標が確保できなければ予算費用を削減することが必要となります。 そうしなければ利益が確保できないからです。

更に言えば、予算の有無に関わらずリターンを生まないと判断される「費用」は一切使うべきではありません。付加価値を生むことを目的とせず使われたお金は「費用」ですらなく、そんなリターンを生まない「費用」を削減していくことが「無駄の排除」、「コスト効率化」ということです。 

逆にいえば予算になくても大きなリターンが期待できるコストは使うべきという判断は十分あり得ます。

経営とは、こういったバランスを考えていかに最適なリソース配分を意思決定をしてくか、、という見方もできます。


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2009年11月20日金曜日

【日本の総世帯数とか基本情報】

日本の総世帯数知ってますか? 人口は1億3000万人ですが、世帯数を意外と知らないことを知りました。4500万ぐらいでしたっけ?みたいな話がありましたが、即答できた人がいませんでした。4900万世帯と覚えておくとよいと思います。(NHKによるとテレビ受信総世帯が約4960万世帯です)

日本でメディアにたずさわる者として(経営コンサル会社や広告代理店、地上波局だったら新入社員でも知らないといけない)かなり基本数字です。

日本国内市場を相手にする場合、そのポテンシャルを知ることは重要です。F1層やM1層は、何人いるんでしょうか? テレビをみるボリュームゾーンはどこにあるんでしょうか? 1日何時間みているんでしょうか?

まず起こっている変化やニーズと現実の差異やギャップに目を向けることが、アイデア発想のポイントです。基本的な情報や当たり前だと思っていることも、あらためて考えてみると、そこにアイデアや問題解決策の糸口が見つかるかもしれません。

2009年2月13日金曜日

【お片づけとソリューション】

モノやサービスを売るビジネスから、ソリューション(お客様の問題解決)を提供して成長発展をするというビジネスがふえてきています。ソリューションは整理と分析を背景にした企画提案力、プロデュース力です。

しかし、そんなビジネスソリューション提案力は高めるために、まず身の回りの整理をしたほうがいいという話です。整理できない理由を考えるのではなく、どうやって整理するのかを分析し、個々人の「Mind Change」を含めソリューションを考えていかなければいけないと思います。

■佐藤可士和さんの話

佐藤可士和(さとうかしわ)さんという方がいます。ユニクロ、docomo、キリン極生、SMAP、NHKの番組、国立新美術館、明治学院大学、病院まで幅広いクリエイティブディレクションを手がけているアートディレクターです。そういう企業、団体の「ソリューション」を考える方が「佐藤可士和の超整理術」という本を出しています。その本に、こんなことが書かれてあります。

「整理することと、問題解決は別のものだと思っている人が多いのではないでしょうか。整理は事務的な作業、問題解決は別の次元のクリエイティブな作業だ、と。 そんなことはないのです。整理と問題解決は、実は同じベクトルでつながっているのです。」

「数多くのクライアントといろんなプロジェクトを進めて、なぜアイデアが尽きないのですかと質問されます。 それは、”答えはクライアントの中にあるから”です。 それを引き出すために、相手の思いを整理することが重要なのです。」

つまりソリューションというのは、思考の整理だということだということです。

そして、整理には3っつのレベルがあるといっています。

「1、空間の整理、 2、情報の整理、3、思考の整理。 どれも基本は同じですが、1から3になるに従って難度はあがっていきます。 まずは机周り、PC、オフィスなど身の回りの空間をすっきりさせることから始めなければならないと思います。 なぜ整理の徹底が必要かといえば結局それが仕事のスピードをあげることにつながり、そして、仕事上のあらゆるリスク、トラブルの回避にもつながるからです。」

■ビジネスソリューション力を高めるために

問題の本質がみえなくても、勘や勢いや運だけでなんとか乗り切っていける時代は終わりました。ソリューション力を高める=思考の整理力を高める=まずは空間の整理力を高めソリューション企画のトレーニングをする。 体をつかってソリューション力を高める=それがお片づけです。

自分の整理ができなくて、他人の整理=ソリューションが考えられるとは思えません。仕事に追われるのではなく、仕事を創り出し、コントロールするために、まず身の回りをコントロールして下さい。忙しいから整理ができない、というのは発想が逆です。

■具体的なお片づけの方法手順

具体的な整理の方法も可士和さんが示してくれてます。

    1.可視化してアイテムをならべる
    2.プライオリティをつける。
    3.いらないものを捨てる。

佐藤可士和の超整理術 (日経ビジネス人文庫)



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2008年6月12日木曜日

【DVDを売るクリーニング店】

情報をメディアがコントロールできる時代は終わりました。疑り深くなった消費者はメディアが発信する情報の真偽を確かめる道具をもち、アクセスできる情報量は爆発的に増加しています。

不特定多数のコミュニティに容易にアクセスできる環境にあり、きっと口コミのほうに信頼を置いている人も増えていると思います。こんな環境の中で、金儲け的な”事業モデル”は、すぐに見透かされます。消費者は簡単に囲い込みなんかされたくないと思っているはずです。

そんな中で重要になってくるのは、発信者であるメディアが、どれだけ高い志をもっているか、どれだけ徹底的にユーザー満足や感動を与えようとする真摯な姿勢をもっているか、にあるのではないかと感じています。各種企画でも事業開発でも宣伝販促でも「そんなもんでいいじゃない」、、ではきっと共感は得るには至りません。お金の多寡ではなく「そこまで突き抜けてやるの?」、「そこまで考えてくれたの」ぐらいの徹底した取り組みの積み上げが共感と信頼に繋がっていく時代なのではないかと思います。

最近の傾向なのか、いくつかの本でそんなヒントになるようなエピソードを読みました。「明日の広告」という本にも、そんな徹底した話がたくさんのっていました。ほか「ビジネス脳を磨く」という本の中にも「DVDを売るクリーニング店」の面白いエピソードがありました。かいつまんで紹介します。

当たり前ですが、クリーニング店は普通DVDを売りません。しかし、そのクリーニング店の店主は映画が好きで、自分が感動した映画が、いかに素晴らしいを切々と書いて、その独自解説レポートを特典にしてDVDを正価で売ってみたそうです。すると、それに感動したお客さんが、次々と注文し、売上記録を更新しているという話です。 当たり前ですがクリーニング店のおやじは事業モデルの発想はなかったはずです。

そのクリ-ニング屋の別エピソードものっていました。あるときお客さんのシャツのボタンがとれていた。店主はお客様へのサービスの気持ちで、そのシャツのメーカーに電話で問い合わせ、ボタンを取り寄せようとしました。しかしメーカーは当初そっけない対応だったそうです。でも店主はあきらめず、今度はA4用紙にびっしり、なぜこんなことをしているのか、自分のクリーニング店の理念やこだわりを切々と書いて、是非協力いただけないか、という手紙を送ったそうです。

すると、その手紙を受け取ったメーカーが手紙に感動して社内で回覧、サンプルのボタンを探し出してクリーニング店に送ったとのこと。 すると今度は店主が感動して、そのことをお客さんへのDMで紹介しました。そのとたん、お客さんから「感動した」、「あんたは偉い」、「あなただったらやると思った」などの声やファックスが相次いだそうです。中には店主が電車に乗っていたら、すりよってきて「感動しました」と声をかけてくれるお客さんまでいたそうです。

当たり前ですがクリーニング店のおやじはお客様を囲い込もうという発想で行動した訳ではないはずです。

こんなところにビジネスの可能性がないでしょうか。損得計算をいくらやってもユーザー満足にも社会貢献にも繋がらないかもしれません。
感性とロジックのバランスをどのようにとっていくか、ここらへんの模索が重要だと思っています。

(参考)
「ビジネス脳を磨く」http://www.amazon.co.jp/dp/453226006X/
ビジネス脳を磨く (日経プレミアシリーズ 6)

「明日の広告」http://www.satonao.com/publish/ashita.html
明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)

ほか、メガネドラックの店には「売上を競うな、サービスを競え」という額が掛けてあります。誤解をされては困るのですが、結構、共感する言葉です。
http://www.meganedrug.com/company/service.html


2008年3月21日金曜日

【「ミーハー心」と「プロ魂」】

■創造性の条件

ある人は「高い創造性を発揮し続けるクリエイターに共通する特徴は好奇心である」と言っています。( http://www.insightnow.jp/article/588 ) このサイトで紹介されている糸井重里さんも秋元康さんもキャラメルボックスの加藤昌史さんも「あれこれ面白いものを探して、なんにでも興味を示して、すぐに手を出してみる、何事も純粋な気持ちで受け止める」こと(ミーハーな姿勢)が創造性の源泉であると分析されてます。

ビームス社長、設楽洋さんの信条は「時代にフィットし続けるミーハーさ」と言っています。( http://www.ifs.co.jp/news/column_200403.html) ビームスは1976年、原宿で産声を上げて以来、一貫してミーハーな姿勢を貫いてきた。。。そして社長曰く「動いている今という時代の空気を読むこと。これはファッションに関わる人間にとっての必要条件と言っていい。「時代にミーハーであること」に自覚的なこと。時代の流れを読んで、半歩先駆けて新しいモノ・コトを提案していく。ファッション・マーケティングの基本的なる姿勢である」と。

その他、坂本竜馬やモーツァルトやスピルバーグの人物像を検索してみると、ミーハー的なエピソードが沢山あります。坂本竜馬は会う度にマイブームが変化していて、まわりが閉口した、、とか。西洋、輸入品、拳銃、革靴大好き、日本人で始めて新婚旅行とか。。

優れた文化も実は、ミーハー的文化ではないかと勘ぐっています。たとえば,江戸時代.世界史の中でも優れた教育水準と独創的な文化をつくった時代であり「江戸っ子は宵越しの銭は持たぬ」とか「火事と喧嘩は江戸の華」な感性を持ちながら、歌舞伎、浮世絵、落語行楽、多様な食文化をつくった時代です。

こんなことを考えると創造性の条件として、ミーハーで旺盛な好奇心という気がしてきます。これこそが時代を創るクリエイターの素質なのではないか。

■「伝えるお仕事」の要件 = 「ミーハー心」と「プロ魂」

伝える仕事でもミーハーな好奇心は重要そうです。主にファッション業界で広報PRを専門に扱う「アタッシェ・ドゥ・プレス」という仕事をしている会社の代表である伊藤美恵さんの話があります。

情熱がなければ伝わらない!アタッシェ・ドゥ・プレスという仕事 (NB Online books)

この本の中で伊藤さんは、自らの「伝えるお仕事」=「ブランド戦略やPR戦略を考え実行する仕事」に必要とされる要件として次の3つのことをあげています。

 ・クリエイター、経営者、企業という送り手側の意識を完全に理解する
  「プロ魂」をもって取り組むこと
 ・一方で、世の中の気分を感じ、「ミーハー心」を抱く一人の消費者
  としての目線を決して失わないこと。
 ・そして、この送り手と受け手という相反する両極の立場を常に自分の
  中に同居させていること。

つまりは「プロ魂」を持ちながら、同時に「ミーハー心」を抱いた消費者であり続けることが「伝え手」の絶対条件であると言っています。

プロだからといって時代の一歩も二歩も先に行くことだけを目指しても、マーケットのニーズと乖離していれば自己満足で終わる。むしろ「ミーハー心」をもって、世の中の空気を感じながら、時代に寄り添い、半歩先のモノ・コトを提案していく力をつけていくことが重要である。

創造性の条件、伝え手としての条件としての「ミーハー心」と「プロ魂」の話でした。

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2007年8月9日木曜日

【メディア環境変化について】

放送メディアを取り巻く環境の中で例えば以下のような事象が起こりつつあります。

◆2011年完全デジタル化
放送メディアをとりまく環境面で特に大きな節目になるといわれているのは2011年のアナログ 地上波放送終了→完全デジタル化です。これに伴って大型ハイビジョンデレビの普及は加速するでしょうし、デジタルテレビ上でのネットサービスも増加すると予測されます。地上波やBSの帯域再編に伴い新チャンネルの参入や再編が進むと思われます。

◆ケータイのメディア化進展
携帯端末の多機能、高性能化、高速大容量化、オープン化が進んでいます。ワンセグに加え携帯上の新しい放送型サービスの準備も進んでいます。いろんな機能やサービスを組み合わせながらケータイのメディア化は更に進むと思われます。

◆ネット上での新しいメディア、サービスの普及進展
動画共有サイト、動画配信サイト、SNSなどは既に普及定着し、今後、仮想空間を含め更なるリッチコンテンツサービスやコミュニティサイトが立ち上がってくると予測されます。

◆広告市場の変化
景気回復にかかわらず日本の広告市場は2000年をピークに、その水準を越えられないでいます。 一方でネット広告はラジオを抜き、雑誌媒体に迫りつつあります。(しかしヤフーは踊り場?です)。広告クライアントの厳しいメディア選択が始まっている可能性があります。

これらの一つ一つの事象に対して右往左往しても仕方ありませんし、悲観的になる必要もありませんが、大きなトレンドを見逃さず、手を打っていく必要はあると考えています。

■メディア利用スタイル、ユーザーニーズの変化への対応

最も重要なことは、こうした変化の中で、受け手のメディア利用スタイル、ニーズがどのように変化していくかという視点だと思います。「徹底したユーザー目線」で考える必要性です。

ユーザー視点からテレビ、モバイル、PC、リアルな場、モノ、その組み合わせによって、どんなコンテンツやサービスを企画開発していくかというアプローチが必要であると思います。初めから多メディア展開を前提にしたコンテンツ制作に方法論を変えていく必要があるのかもしれません。

もちろん、どこで儲けるかという戦略も重要です。受け手のメディア接触スタイルが変化すれば、広告クライアントのニーズも変化するでしょうし、コンテンツ課金などの収入源にも影響が及ぶと思われるからです。

メディアの多様化、ユーザーニーズの変化が進んでいく中で、新しいトライアルをしないことのリスクが高まっている状況であると考えます。

どこにどうやって進出していくか。人やお金という限られたリソースをどう配分すべきなのか。他社との連携や協業をふくめ足らないリソースをどこから獲得するか。

事業の成長を続けるためには、こんな変化と課題認識をしつつの議論と取り組みが大変重要なものになるのではないかと感じます。俯瞰的に事業のあり方を見直す好機でもあると思います。