2012年2月20日月曜日

【アニソンとJ-POPの可能性】

先週、ふと耳にして、久々にこれはすげー曲だと思ったのが中島愛というアーティストの曲「TRY UNITE!」と「金色~君を好きになってよかった」。知らなかったですが中島愛という方は声優さん、曲はいわゆるアニソンなんですかね。

しかしその楽曲のハイクオリティな感じ、隙のないメロディと浮遊感あふれるコード進行とハウスなアレンジ。聞けば編曲はラスマス・フェイバー!なんですね。そしてアルバムの作曲家陣をみるとサエキけんぞうさんや大江千里さんなど懐かしい名前も。80年代から90年代を生き抜いてこられたプロフェッショナルな方々です。

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AKB、ジャニーズ、K-POP、アニソン以外、なかなかヒットが出なくなっている音楽業界ですが、しかし実は、そんなAKBやアニソンの音楽的背景を支えているのはこういったプロフェッショナルな作家だったりするんですね。確かにAKBの曲もクオリティの高い曲が多い気がします。

「80年代、アニソン、作家」で検索したら、次のようなブログもみつかりました。
http://d.hatena.ne.jp/fg730/20100731 。。。確かにそうかもしれません。

音楽が元気のよかった80年代、なんだかんだ言ってもヒット曲の中心は歌謡曲でした。聖子ちゃん、明菜ちゃん、キョンキョン、ジャニーズ、おにゃんこ。歌手のストーリーや下世話な感じを含め楽曲のパワーがありました。そして、それらの楽曲を支えたのは実力ある多様な職業作家でした。

しかし、90年代以降に、○○ブームの名の下で作家陣の寡占化→画一化傾向や、アーティスト性の訴求を重視する中での自作自演が一般化→作詞作曲の素人化も同進んでしまったのかもしれません。その結果、J-POPの歌詞は「翼広げすぎ」「桜舞いすぎ」「私弱すぎ」「瞳閉じすぎ」「君の名を呼びすぎ」などと揶揄される状況に至りました。(もちろん、いい曲はたくさんあるんですけどね。)

そんな中でのアニソンです。アニソン歌手は声優だったりするので楽曲を自らつくることは少ないようです。そこに多様な職業作家が楽曲を提供する。ラスマスのように海外からの才能も集まってくる。楽曲には必然的にアニメのストーリー性が付加される。制約条件が逆にクリエイティビティを生む。

そこには80年代にあった歌のストーリー性とプロフェッショナリティの復権があるのかもしれません。

そんなことを感じた中島愛の楽曲だったのでした。




参考)翼広げすぎなJ-POP
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1011/04/news089.html


参考)ラスマス・フェイバー、日本のアニメーターとのコラボMV