2011年3月30日水曜日

【「こころの温度を上げていこう」】

さて前回まで「信じる」関連の話をしてきました。「信じる」ことはコミットメントが伴います。だからパワーも必要だと思います。何かを信じて、情熱をもって取り組んでいかないと、世のため、人のための社会貢献まで至りませんものね。

会社というのは往々にして制約条件や理不尽なことでいっぱいです。続々と想定外の障害や困難が立ちはだかり、めげそうになります。それでも議論を尽くし、知恵を出し、汗をかき、最適解を探り、障害をなんとか乗り越え、不利な体勢からでもゴールを決める。それがお仕事なんだと思います。情熱や夢やミッション意識がなければやってられませんよね。

そんな情熱に関連して、ちょっと前にダイキンの「就活中のみなさんへ」という大きなポスターが張ってあったのを思い出しました。ポスターに書いてあった言葉が「こころの温度を、上げていこう。」 いい言葉だな、と思ってみていました。








←ぴちょんくん も燃えている。


日経ビジネスによるとダイキンは今年、ついに空調事業で世界一になると書いてありました。ホームページによれば、、

「人が何かに挑戦するときにこそ、こころの温度は上がっていくものです。近頃なんだか、みんなのこころの温度が下がっている。そう思えてなりません。でも、世の中が冷えこんでいる今こそ、大きな夢や目標を持ってほしい。ダイキンの夢は、人にも快適で、地球環境にも負荷の少ない空調を世界中に届けること。私たちダイキンは、その夢に向かってこころの温度を上げています。」

そして、そんなダイキンは「いちばん強い思いと能力をもった人に、プロジェクトのリーダーを任せる」とありました。「リーダーの条件は、年齢でも役職でもない。仕事に対するこころの温度が大切だ」と。 
http://bunnabi.jp/2011/cn_recruit.php?ccd2=66891

そしてダイキンは宣言しています。 「空気について一番考えている会社です。人々の安全と健康のために、空気について考え抜いています。」
http://www.daikin.co.jp/recruit/gradu/strategy/index.html

人の熱い思いを何よりも大切にして、自らのコアを考え抜き、世界一を目指し、本当に達成してしまう会社、、、なんかかっこいいですね。

体温が下がると免疫力は下がり、逆に平均体温が1℃上がると免疫力は約60%活性化するそうです。きっと心も一緒なんじゃないかと思ったりもします。

.


2011年3月25日金曜日

【小林秀雄の話】

小林秀雄の「信ずることと考えること」という講演CDがあります。小林秀雄は戦後日本を代表する知識人、批評家、哲学者ですが、その小林さんが1974年に大学生にした講演を収めたものです。

5年以上前のこと、僕は、この講演の存在を茂木健一郎さんの本「脳と仮想」(小林秀雄賞受賞)で知りました。茂木さんは、かつて、この講演テープを車に入れて、何度も何度も擦り切れるぐらい繰り返して聞いたそうです。興味をもって僕もCDを買いました。それから、それこそ、何十回も聞きました。内容が濃いというのもありますが、口調が落語家の志ん生に似ているんです。本の文章は東大入試で常連の、とてつもなく難解なものなのに、話し言葉は、とてつもなく、べらんめいで甲高く、おちゃめ。

僕はこの講演CD含め、出ている全講演CDを買って聞きました。知的で且つ、おもしろいです。

信ずることと考えること―講義・質疑応答 (新潮CD 講演 小林秀雄講演 第 2巻)
↑「魂はあるかないか、あるに決まっているじゃないか!」

震災のこともあり「信じる」ということを考えるとき、僕は、この小林さんの話を思い出しました。「信じる」という言葉の重みを感じたからだと思います。

この講演の中で盛り上がりの箇所の一つが以下です。べらんめい口調です。

「信じるってことは責任をとることです。
僕は間違って信じるかもしれませんよ。万人のごとく考えないんだからね僕は。僕流に考えるんですから勿論僕は間違います。でも責任はとります。それが信ずることなんです。
だから信ずるという力を失うと、人間は責任をとらなくなるんです。そうすると人間は、集団的になるんです。会がほしくなるんです。自分でペンを操ることが、信じられなくなるからペンクラブがほしくなるんです。(略) 左翼だとか右翼だとか、あんなもんに「私」なんてありゃしませんよ。信念なんてありゃしませんよ。どうしてああ徒党を組むんですか?日本を愛するなら? 日本を愛する会なんてすぐこさえたくなるんですよ。馬鹿ですよ。
日本てのは僕の心の中にあるんですよ。諸君の心の中にみんなあるんだよ。気がつかないだけだよ。こんな古い歴史を持った国民がね、じぶんの魂の中に日本を持っていないはずがないですよ」

小林さんは「日本人は、気づかないかもしれないけど、それぞれの魂の中に日本を持っていないはずがない」と言い切っています。

これと同じように、みんなが個々で自分流に信じること、その魂は、表現は異なり、感覚は違うかもしれないけれど、心のどこかにある筈だと思っています。それを自分の言葉として言えるようになりたいなと思うわけです。


.

2011年3月24日木曜日

【3.11震災にさいして】

今回の震災に関連し、あらゆるメディアを通じて、いろんな情報や見解が溢れています。何を信じればいいのかと迷い、自分は何をすべきなのかを深く考えた方も多いのではないかと思います。緊急時だからこそ、わかったこと、再認識したことも多かったのではないかと思います。

僕は人々の命を救うため、国を守るため、自らの命を危険にさらしてまでミッションを遂行している人がこんなにたくさんいるのか、ということを再認識しました。それは津波直前まで無線放送のマイクを握って避難を呼びかけた女性職員であったり、被曝しながら暗い原発の中を這いずり回って復旧につとめた作業員やレスキュー隊であったり、避難所でリーダーシップを発揮する床屋のあんちゃんであったり、祖母を守り通した16歳の高校生だったりします。

首相がだらしなくても、東電の上層部がどうしようもなくても、財産や家族を失くしても、自ら志願して国や周りの人を救おうという人がいる。自らの仕事に誇りをもち、ミッションを認識し、そこにコミットする人たちがこんなにいる国だったのか。

僕は、そういう人たちをみて、日本の底力を再認識し、こういう人たちが支えているこの国を誇りに思いました。これを機会に日本はよくなる、若い人たちが希望に向かって行動を始める、そんな確信を持ちました。それは日本が元通りになるということではないし、経済が回復するということではありません。一生持病をかかえながら、きっと、これから何年何年も苦難に立ち向かっていかないといけないと想像します。でも、こんな大きな犠牲を払いながらも、これをきっかけに、世界中からリスペクトされ、手本となる国になれる機会を与えられたと思いました。本当の幸福とは何かを知っている国に生まれ変われるのではないかと希望を持ちました。 世界を変えていく説得力を持つ国になれる可能性です。そして生き残った我々はそれを実現する使命があると思います。

震災の死者・行方不明死者は2万6000人を超えました。これは2万6000人という記号ではありません。一人ひとり、赤ちゃん、小学生、おかあさん、おじいちゃん、上司、近所のおじちゃん、が2万6000人です。それを想像したときに、姿勢を正し、祈りを胸に、希望に向かって、自分のやるべきことを真摯に考え、行動していかなければいけないと思います。

2011年3月10日木曜日

【シンディ・ローパーの話】

前回は「音楽の力」にまつわる話をしましたが、ちょうど先日、「音楽の力」を感じさせるエピソードが配信されていました。 それは3月4日、ブエノスアイレスの空港で足止めをくらって怒る乗客たちを鎮めるため、その場に居合わせたシンディ・ローパーが「Girls Just Want to Have Fun」を即興で歌い、乗客たちの怒りを収め楽しませたという話です。YouTubeで様子がわかりますが周りの人の笑顔がいいです。


http://www.cdjournal.com/main/news/cyndi-lauper/37172

シンディ・ローパーは僕らの世代にとっては印象深いアーティストです。「ハイスクールはダンステリア」はビデオクリップ全盛期の世界的なヒット。「Time after time」、「True Colors」など、もはやスタンダード曲になった感動的な名曲も生み出しました。「We are the world」でのパフォーマンスも最高でした。そういえばシンディ・ローパーはちょうど来週ぐらいに来日公演予定ですよね。




2011年3月8日火曜日

【「音楽の力」と「RockCorps」の話】

CDが売れなくなり、音楽配信も伸び悩み、今、音楽業界は将来に対して大きな期待がもちづらくなっている状況にあります。しかし音楽が持つ本来の力を発揮しきれていないとも言えるかもしれません。音楽には力がある。人と人をつなげる力、人を勇気づける力、癒す力。。そんな音楽の力を愚直に信じていくこと、真摯に向き合っていくことで広がるムーブメントが確かにあると僕も思います。

そんな「音楽の力」で世の中を変える、具体的な取り組み事例をみつけました。

イギリスで一流のミュージシャンが出演する“チケットを買えない「OrangeRockCorps」というコンサートがあるそうです。

なぜチケットが買えないかというと、そのイベントは4時間のボランティア活動をしないと、チケットを手に入れることはできない仕組みになっているからです。要するに自らの社会貢献活動が入場料になる、世の中を良くするロックフェスというコンセプトという訳です。

「RockCorps」という社会貢献企業が主催するこのイベント、イギリス以外にも広がりつつあるようでLADY GAGAなど多くのアーティストが、こぞって賛同しているようです。 ボランティア参加者の数は既に8万人を超えているらしく、まさしく音楽の力で社会を変えるということを具現化している取り組みだと思います。

日本のフェスで、チケットを売る目的でアーティストをブッキングしたり、プロモーションを理由にして出演料を安く抑える一方で、チケット代は高く設定したり、会場ではスポンサー企業のブースが満載、、って感じだと、なんだかんだ言っているけど結局お金儲けなの?と疑われてしまいますよね。

もちろん「RockCorps」もキレイ事かもしれませんし、企業のイメージ向上のために若者が踊らされているという見方もできるかもしれません。でも実際に多くの若者が進んで4時間の社会貢献活動をしていることも事実です。そして、そうやって手に入れた入場券は、思い入れが違うはずです。ライブも盛り上がると思いませんか?こんな考え方って、何かヒントになりそうだと思いませんか?

http://www.orangerockcorps.co.uk/  

公式ホームページにはNe-Yo、Rihannaほかの顔ぶれも。
http://www.facebook.com/OrangeRockCorps Facebookのページもあります
http://nakata.net/jp/topics/environment00011.htm  nakata.netにも。
http://designwork-s.com/article/145258926.html
http://blog.livedoor.jp/officesidewinder/archives/51556148.html



.