僕は人々の命を救うため、国を守るため、自らの命を危険にさらしてまでミッションを遂行している人がこんなにたくさんいるのか、ということを再認識しました。それは津波直前まで無線放送のマイクを握って避難を呼びかけた女性職員であったり、被曝しながら暗い原発の中を這いずり回って復旧につとめた作業員やレスキュー隊であったり、避難所でリーダーシップを発揮する床屋のあんちゃんであったり、祖母を守り通した16歳の高校生だったりします。
首相がだらしなくても、東電の上層部がどうしようもなくても、財産や家族を失くしても、自ら志願して国や周りの人を救おうという人がいる。自らの仕事に誇りをもち、ミッションを認識し、そこにコミットする人たちがこんなにいる国だったのか。
僕は、そういう人たちをみて、日本の底力を再認識し、こういう人たちが支えているこの国を誇りに思いました。これを機会に日本はよくなる、若い人たちが希望に向かって行動を始める、そんな確信を持ちました。それは日本が元通りになるということではないし、経済が回復するということではありません。一生持病をかかえながら、きっと、これから何年何年も苦難に立ち向かっていかないといけないと想像します。でも、こんな大きな犠牲を払いながらも、これをきっかけに、世界中からリスペクトされ、手本となる国になれる機会を与えられたと思いました。本当の幸福とは何かを知っている国に生まれ変われるのではないかと希望を持ちました。 世界を変えていく説得力を持つ国になれる可能性です。そして生き残った我々はそれを実現する使命があると思います。
震災の死者・行方不明死者は2万6000人を超えました。これは2万6000人という記号ではありません。一人ひとり、赤ちゃん、小学生、おかあさん、おじいちゃん、上司、近所のおじちゃん、が2万6000人です。それを想像したときに、姿勢を正し、祈りを胸に、希望に向かって、自分のやるべきことを真摯に考え、行動していかなければいけないと思います。
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