2011年2月28日月曜日

【13歳のハローワーク】

村上龍さんが「13歳のハローワーク」という本を出していました。13歳というと中学生、そろそろ社会の事を考え、将来について考え始めるお年頃です。「私は何がしたいんだろう?」、「世の中に対してどんな貢献できるだろう?」ということですよね。
13歳のハローワーク

子供も会社も成長に応じて自らの将来について選択していかなければいけません。

選択するということはどういうことでしょうか? 人生に例えれば何かを選択するということは、「何かを選択しない」という判断をするということでもあります。 本気で野球選手になりたいなら宇宙飛行士の勉強より野球の練習を優先し、集中すべきです。 大きな成果を獲得するためには何かを捨てて、何かに集中する必要があります。

「選択と集中」という言葉はドラッカーが提唱し、GEのジャックウェルチが実践した経営戦略です。ジャックウェルチが使った「選択と集中」を表す英語は「Concentration in Core Competence」、要するに「自らの強みに集中せよ」ということです。 ジャックウェルチは業界で1位か2位をとれる事業以外はやらない、やめる、という徹底した方針を掲げリソースを勝てる分野に集中投資した経営者です。重要なことは自分の得意分野を見定めて、「やらないことを決める」、「いらないものを捨てる」ということ、それが「選択と集中」なんですね。 

「13歳のハローワーク」の本から派生したWEBサイトがありますが、ここには子供達に向けた仕事の紹介やプロの大人からのアドバイスなどが掲載されています。「好きを仕事にするには努力が必要なんだよ」、「やると決めたら、とにかくやることだよ」、「自分自身に妥協しないこと!」、、と世の中の厳しさも教えています。

2011年2月24日木曜日

【「新しい価値の提供」の話】

雑誌“デジモノステーション”主催「2010デジモノof the year」発表イベントに行って参りました。 ソニーやアップル、東芝、キャノンなどデジモノメーカーの関係者が一同に会し、デジモノ編集部やデジモノ評論家の方々が評価した商品を表彰するという内容です。ちなみに今回の大賞はiPad。その他、裸眼3Dテレビ、CELL REGZA、Handycam、iPhone4、Wifiルーター、一眼レフEOS、お米からパンがつくれる“GOPAN”、AVATARブルーレイソフトなどが受賞しておりました。

選者の一人、評論家の麻倉怜士さんは、「今回の受賞内容からもわかるが、従来の延長線上ではない形での新しい価値創出が期待される時代になっている」というコメントをしていました。経済評論家の森永卓郎さんも、「日本の経済状況は“こんな菅政権にも関わらず”直近3−4ヶ月に急激な改善の傾向を示していて、新しい価値を提供するビジネス可能性も広がっている」との話があました。

受賞した商品はいずれも高性能、多機能で評価されたというより、それによって生み出されたトレンドや価値が評価されたということなんですね。共通しているのは、「新しい価値の提供」というキーワードだったと思います。

ちなみに今回のデジモノパーティのテーマは「新生〜re-birth〜」でした。2011年はデレビの完全デジタル化、スマートフォンの当初予想を超える普及進展、ソーシャルメディアの急伸などにより、モノゴトのありようが大きく環境がかわっていく節目になりそうだと言われていました。 世界の社会の動きに目を向けてもエジプトやリビアなどソーシャルのパワーによる新しい局面への展開を感じますよね。 そんな中で、創造性を発揮して、新しい価値を創出すべく知恵を搾っていく。それが日本全体に求められているということだと思います。

企業はモノやサービスを提供するのか、というより、どんな価値を提供していくのか、そのメッセージ、コミットメントを決めて、発信していくべきと思います。


前回までの話のとおり、嗜好が個別化、細分化し、送り手の思いのありようが重要になっている昨今において、「私はこう思う」というスタンスがより重要になっています。 特定の領域に集中しない、厳密に決めない、ことによって万人に受け入れられやすいスタンスを目指すのではなく、自らの強みを認識し、「何をするか、訴求するか」の選択をし、誰に届けるかを明確にすべきタイミングになっているのではないかと考えます。
共感を生み出す場、コミュニティの創出」、「ここにしかない新しい価値の提案」とのことでした。/

「何を選ぶのか?」、「君はどう思うんだ?」、それを考え、スタンスを決めないといけません。 「網羅と分散」をするのではなく、「選択と集中」です。 変革期の中で勝ち残っていくために、どういう戦略をとっていくのか、「次への選択」を考え、実行に移く必要があります。



2011年2月21日月曜日

【完熟した国内ビール市場の話】

最近、近所のスーパーでビールを買う時、改めて感じるのは、なんかビールの種類が多いなーということです。 商品も細分化していて、しっかり表示をみないと発泡酒なのかリキュールなのかノンアルビールなのかもよくわかりません。

その昔、90年代初頭はビールといえば一番搾りかスーパードライか、ラガー、モルツとか、シンプルな感じで、テレビで流れるCMでつくられたブランドイメージが大衆に大きな影響力をもっていた大量生産、大量販売の有り難い時代でした。

では、今いったいビール市場はどうなっているんだろうと思い早速グぐってみました。 すると国内市場は下のグラフの通り絵に描いたような縮小市場です。 大手ビール会社が合従連衡や海外進出に活路を見いだそうするのも当然です。

←棚もごちゃごちゃ。

そんな中、今週号の日経ビジネスでも、ビール業界などにスポットを当てた日本国内市場の変化について特集されています。 曰く、、、

「高齢化と人口減少、消費者の嗜好の多様化で、マス市場は無数の極小市場に解体されつつある。 ニーズの個別化とともに商品サイクルは超高速化。豊潤な国内市場は競争が苛烈な“死の海”に変貌した。」 

そしてこの過酷な環境に企業はどのように適応していくべきかのかが事例で紹介されています。

ポイントがいくつかあげられていました。
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1.もはや国内にマス市場は存在しない。今後も復活は考えにくい。 
あきらめてニッチを積み上げていくしかない。発想を切り替えろ。

2.市場規模は小さく分断され、商品の寿命は短命化した。消費者は
移り気でニーズは変化し続ける。商品開発を高速化し、数を撃て。
質は量からしか生まれない。

3.スピードがすべて。大きい組織では出遅れる。育てるために組織を
切り離すことも辞さず。

4.有望な小さな市場を開拓するしかない。規模を忘れて「視野を狭めよ」。
売り手の価値観をベースに個別対応を積み上げていけ。
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「国内市場は小型化、個別化、短期化、高速化している」。。 僕もそう感じます。

長期的スパンで大きな案件に取り組んで、どーんと成果を出そう!、、という考え方ではなかなか立ち行かない時代なんですね。そんな大衆ビール市場は縮小している一方で、下のグラフのように地ビール市場は右肩上がりです。 

← 地ビールの市場規模推移。

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2011年2月17日木曜日

【お願いランキングの話】

ここまで数回、人の思いや価値観とビジネス成果の関連性の話をしてきました。情報量の増大と価値観の多様化の中で、一人ひとりの「思い」が重要度を増している。

そんな中で、最近、地上波テレビで思わず見入ってしまうのがテレ朝「お願いランキング」の「美食アカデミー」のコーナーです。 

内容は、料理人、料理研究家がちょいキビ判定員としてチェーン飲食店やコンビニ食品、冷凍食品などの売れ筋メニューを辛口で採点評価判定。別室では企業の商品担当者が、そのコメントや判定に一喜一憂します。お約束として、企業担当者の自信の商品が「味がバラバラ」「材料が生かされていない。すごくもったいない」など容赦なく酷評され重苦しい雰囲気に。でも、判定員が美味しいと評価する商品は「これ、おいしぃー。サイコー」、「今まで食べた○○の中で一番かも」などと手放しでほめられることも。そうすると企業担当者は抱き合ったり、涙を流して喜んだりします。そして評価された商品のこだわり、調理行程の裏側や製造工程の工夫などが映像で紹介され、おいしさの秘密が明らかにされる、、そんなパターンですよね。

これは企業にとってはリスクもあるはずです。イチオシの商品が酷評されれば売上減にもなりかねません。それでも企業がこぞって協力するのは、それ以上のメリットを感じているからですよね。ある企業担当者は「人気商品を知ってもらういい機会になる」と言います。また、ここで紹介された商品は厳しい評価のものも含め売上拡大に貢献するようです。

何を隠そう実は僕もマルハニチロの冷凍食品の放送回に影響され、ここ数年間購入したことがなかった冷凍食品を数点買い込んでしまいました。うちの近所のスーパーでは2位の「あおり炒めチャーハン」は「好評につき品切れ」していたほどでしたから、きっと僕のような普段、冷凍食品を買わないようなユーザーを含め新規開拓に成功しているということですよね。


これが商品販促として有効足り得えているポイントがいくつかあるように思います。

1. エンタ−テイメントな演出の中で視聴者の興味が持続され商品認知が
進むこと。

2. 番組を通じて商品の作り手の顔が明らかにされ、企画開発、製造工程
などのこだわりや思いが共有されること。

3. 辛口の名の下に“公正で信頼に足りる判定がされている”と感じさせ、
且つ、その判定の真偽を自ら確認したくなる衝動にかられること。

4. マスメディアを使っているものの、極めて偏った判定人の個人的見解に
よる評価は、企業CMではなし得ない説得力を生んでいること。


消費者はテレビCMを簡単には信用せず、企業もマスメディアにCMを打っても響かないと感じるようになっています。宣伝担当者は「大衆はいったいどこに行ってしまったのか?」と悩みます。テレビが駄目なら、ネットだ、バナーだ、リスティングだ、ブログだ、SNSだ、と手を替え品を替え試行錯誤してきました。 でも「お願いランキング」でわかるのはテレビだネットだ、というツールの話ではなく、誰が、どんな思い、ストーリーの中で商品を企画し、ユーザーに何を訴えようとしているのか、それを誰が選び評価しているのか、が重要なキーになっているということではないかと思います。

人の顔の見えない企業としてではなく、顔がみえる企業の中の人の思いが付加されて初めて伝わる。そういう商品なら買いたいと思う。単なる企業が売りたい商品や売上順位ではなく、顔がみえる信頼に値する誰かの評価を人は信じる。 そういう時代にシフトしてきているように思います。 

コンテンツそのものの善し悪しだけではモノゴトは成立しなくなっているし、画一的な宣伝販促では効果が薄れてきている。むしろコンテンツの背景にあるストーリー、誰かの思いが伝わる大きな力を生むようになってきているのではないか。 

なんか、ここらへんにチャンスがあるように思いませんか。


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2011年2月14日月曜日

【「思い」と「成果」の関連性】

この週末はジャーナリスト佐々木俊尚さんの新刊「キュレーションの時代」を読みました。メディアやコンテンツに関わる人にとって凄く参考になる良い本だと思うので強くお薦めします。 現時点でAmazonの経営書、新書、ITカテゴリーで1位、総合でも15位にいて、この種の経営書としては結構売れているようです。いずれにしてもこの“キュレーション”という概念は、メディア戦略とも関連性が高くなりそうなので、これからも折々でお話していきたいと思います。

さて前回の「働きがいのある会社」の話では、「従業員が勤務する会社や経営者・管理者を信頼し、自分の仕事に誇りを持ち、
一緒に働いている人たちと連帯感が持てる会社」という定義を紹介し、そういった企業は、業績、株価指数、生産性、イノベーションなど面で優位性がある、という話をしました。

また前々回は「エンゲージメント」というキーワードの中で 「社員一人ひとりが、組織に対してロイヤリティを持ち、価値観に共感して、愛着をもって、絆を感じている」企業に優秀な人はあつまり、主体的に動ける組織になっていくという考え方を紹介しました。

いずれも昨今、企業の競争力の源泉として、「人」の話がクローズアップされているように感じます。 本屋さんに行っても、一時期の「ビジネスモデル」チックな経営本より、こういった”人”にかかわるアプローチが増えています。 企業が無機質なビジネスモデルやブランドマネジメントだけを語っていても競争力が保てない時代になりつつあるからでしょうか。 中に働く人の思い、発信力、顧客との関わり方が、信頼や共感につながり大きな力を持つようになっているではないかと思います。だからこそ企業は、その個々人の力を最大化するため、従業員に対するメッセージを重要視するようになってきているのではないでしょうか。

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そんな中、あるメルマガで紹介されていた、人が使う言葉やメッセージによって実際のパ

フォ-マンスが変わるという話が面白かったので紹介です。
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(1)関西大学の安田さんという教授が、業績が高い人(上位15%)と、
それ以外の人達とでは、電子メールの中で使っている言葉が違うという
発見をしたそうです。

●業績が高い人(上位15%)が電子メールでよく使う言葉は、
率直だ・スムーズだ・前向きだ・有意義だ・なんとか、
特別だ 、などポジティブで、意欲が伝わってくる言葉が多く。

●一方で、それ以外の人が電子メールでよく使う言葉は、
厳しい・面倒だ・大変だ・細かい・悪い・同じだ 、、など
比較的ネガティブな言葉が多いそうです。 

業績が良いからポジティブな言葉を使うのか、ポジティブな言葉を
使うから業績が良くなるのか? 

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(2) ハーバード・メディカルスクールの教授による実験の話です。

空港で使われる危険物の検査装置を使って、被験者たちには
あらかじめ 危険物が発見される確率を伝えたうえで、鞄の中身を
調べさせました。 結果、、

「1%の確率で見つかる」と伝えたとき、誤答率は30%
「50%の確率で見つかる」と伝えたら、誤答率は7%

要するに“見つかる可能性が高い”とポジティブなメッセージを
伝えることで、パフォーマンスを高めることができたという話です。
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うまくいってないからといって、ネガティブな話をしても、状況が良くなることはありませんからね。

だったら将来に対する可能性を信じたポジティブなメッセージを発信し、行動することによって実際に成果があがる確率は高まるかも、、という話です。

いろんな意味で、ビジネスの成否は一人ひとりの考え方や思いに大きく影響されると思うこの頃です。

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2011年2月9日水曜日

【「働きがいのある会社」の話】

前回は「エンゲージメント」というキーワードの中で、社員を大切にし(ES)、顧客のことに心を砕き(CS)、社会貢献について真剣に考える企業が、結果的にイノベーションを行い、高いパフォーマンスをあげる社会になっている、、との話をしました。 「社員一人ひとりが、組織に対してロイヤリティを持ち、価値観に共感して、愛着をもって、絆を感じている」企業に優秀な人は集まり、主体的に動ける組織になっていくということでした。

そんな中で、今週の日経ビジネスでも「働きがいのある会社」についての特集が掲載されていました。なんでもGreat Place To Work Institute (GPTW)という会社があって、20年以上、世界40カ国以上で「働きがいのある会社」の調査を行って発表しているらしいです。

その会社の長年の調査結果でも同社が定義する「働きがいのある会社」は、そうでない会社と比べ、業績、株価指数、生産性、イノベーションなど面で明らかに優位性があることが実証されているらしいです。
 ← ちなみに日本の一位はダントツでGoogle。



じゃあ、そんな「働きがいのある会社」とはどんな会社なのか? GPTW社の定義によれば、
 「従業員が勤務する会社や経営者・管理者を信頼し、自分の仕事に誇りを持ち、
一緒に働いている人たちと連帯感が持てる会社」とのこと。 (やっぱり「エンゲージメント」と同じような話ですね。)

そして働きがいを構成する5つの要素は、「信用」、「尊敬」、「公正」、「誇り」、「連帯感」だそうです。 
では、「働きがいのある会社」を目指すには、どうすればいいんでしょう? 

同社によればまず「雇う」ときも「会社のビジョンやカルチャーに適合する能力があるか」を見極めろと言います。 スキルだけで採用しちゃだめだと言っています。 そして「マネジメントが従業員の声にどのようにして耳を傾けているか」。その仕組みを作り出すことも,非常に重要であると言っています。

ほかにも「励ます」「話す」「感謝する」「育てる」「配慮する」「祝う」、、などステップとポイントがあるようです。 「なんで、そんな気ばっかり配らないといけないんだ」、「そんなキレイ事ばかりじゃないでしょ、」と思う人もいるかもしれませんね。 でも、こういうことを皆が重要だと思わないと、会社の風土は良くならないんじゃないかなと僕も思います。 GPTWの方いわく、「人間は,人生の大半の時間を会社で過ごす。働きがいがあることは,本当に幸福なことだ。経営者や管理職の皆さんにとっては,働きがいのある会社を作ることが,最高の社会貢献になる」だそうです。


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2011年2月1日火曜日

【エンゲージメントの話】

エンゲージメントというと、婚約とか約束とかの意味が浮かびますが、最近ビジネスで使われる意味としては、会社と個人(顧客、社員)との関係において、会社の価値観に対する共感、愛着、絆といった感情的な関わりが重視される状況、ということでしょうか。

企業というのは、顧客や従業員、株主、地域社会などというステークホルダーとの関係性の中で成立しています。しかし、ちょっと前まで企業は、株価至上主義だったり、短期的利益の追求ということに重きがおかれていました。しかしアメリカ金融危機などで、そういった考えが改められつつあるようです。それに環境問題やら人口問題などで、そもそも企業って利益だけ追求していていいのって話になっているんですね。 顧客や従業員の価値観が多様化していく中で、社会貢献を考えない企業論理だけでは、モノゴトは成立しなくなっているということもあるんでしょうね。

従来は、対ユーザーの観点でも「自社の商品やサービスを、どうやって伝え、理解させ、買ってもらうか」という企業本位の発想でした。 対従業員の観点でも「仕事をどうやって伝え、理解させ、働いてもらい、成長させるか」という企業本位の発想でした。

でも、もはやユーザーも従業員も、企業論理に囲いこまれたいとは思ってないし、考え方の合わない会社の商品など買いたくないし、そこで働きたくない、と思うようになってきているんでしょうね。 薄っぺらい企業論理、上から目線の考え方なんてのは見透かされてしまうんです。 

そんな中で、これから勝ち残る会社の条件として、企業の理念、思想が問われるようになってきているということだと思います。 そして価値観をベースに、CS(顧客満足)もES(従業員満足)も高い会社になっていかないといけません。 このCSとESをどちらも高めていくときのキーワードが「エンゲージメント」です。

「社員一人ひとりが、組織に対してロイヤリティを持ち、価値観に共感して、愛着をもって、絆を感じている状態」が企業におけるエンゲージメントです。 企業の社会的意義を感じ、そのために主体的に動ける人が集まる組織にしないといけません。社員を大切にし、顧客のことに心を砕き、社会貢献について真剣に考える企業が、結果的にイノベーションを行い、高いパフォーマンスをあげる社会になってきています。

もちろん「エンゲージメント」だけでなく仕事には「コミットメント」も重要です。仕事である以上、責任や目標に対する約束、コミットメントが必要なことはもちろんです。しかし、それだけでなく、自分が共感し、やっていて楽しいこと、やっているうちにのめり込んでしまうようなエンゲージメントも必要だ、ということだと思います。人間はコミットメントだけでは燃え尽きてしまうからね、ということです。



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トヨタ系ディーラー、ネッツトヨタ南国はこの「エンゲージメント」ということを理解しながら、活気ある会社にすることに成功している会社の一つのようです。 顧客満足NO.1を10年続け、業績を伸ばしているこの社長さんは言います。 「すばらしいスタッフ、すばらしいリーダーというのは育てるものではないんです。すばらしいスタッフやリーダーが育つ風土をつくる、ということ。誰かが育てるものではなく、勝手に育つものなんです。要は、育ちやすい環境を作ることが経営者や上司の役割なんです。」 



   http://www.vistanet.co.jp/


企業は、社会貢献価値や従業員の成長を考えながら、活気あるものにしていきたいですよね。



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【馬鹿になれの話】

昨今、世の中何事もSMART化がトレンドのようです。スマホ(SMART PHONE)を始めとして、SMART GRID、SMART PAD, SMART TV等々、端末から車、住宅まで、これからあらゆるものSMART化していくんでしょうね。

しかし、そんなSMART化の流れに逆行するがごとく、今回の話は「馬鹿になれ」。モノゴトを進める上で、戦略をつくることは重要だけど、ある段階に来たら、とにかく、四の五の言わずやってみることも重要です。

往々にして人間、歳をとってくると能書きは言えるようになりますが体が動かなくなります。仕事に慣れて初心や感謝の気持ちを忘れると、横柄になったり、頭でっかちにもなりがちです。 変化に対する耐性がなくなり、チャレンジする意欲が低下してくると、人も組織も、いよいよ本格的な老いの状況に入ります。 そういえば映画「ウォールストリート」のCMで「本当の失敗は挑戦しないことだ」ってコピーが流れています。石橋を叩くだけ叩いて結局渡らないなら、何も生み出さないですからね。
では、そうならない為に、どういう心持ちであるべきなのでしょうか。 その一つが「馬鹿になれ」のような気がしてきました。早速、Google検索してみるといい話がひっかかってきましたのでご紹介です。
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●まずはアントニオ猪木。自身の詩集 タイトルずばり「馬鹿になれ」

猪木詩集「馬鹿になれ」 (角川文庫)

馬鹿になれ とことん馬鹿になれ 恥をかけ とことん恥をかけ 
かいてかいて恥かいて 裸になったら見えてくる 
本当の自分が見えてくる  本当の自分も笑ってた
それくらい 馬鹿になれ

さすがです。
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もう少しソフィストケートされたものだとスティーブジョブズの「STAY HUNGRY, STAY FOOLISH」スタンフォード大学の卒業式でジョブズが行ったスピーチはあまりにも有名です。そこで最後に言っていることばが「STAY HUNGRY, STAY FOOLISH」。
最近は高校英語の教科書にものっているらしいです。人生を見失いそうな方は是非、見てみてはいかがでしょう。(YouTube字幕版もあります。金言満載です。)


http://sago.livedoor.biz/archives/50251034.html
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●エッジが効いてるところではDIESELのメッセージ。「BE STUPID」
ファッションブランドのDIESELの「BE STUPID」もいいです。「自分らしく生きること」、「失敗を恐れず、何度でも挑戦すること」、そこにチャンスがやってくる。。。 SMARTなんてクソくらえだ!



上のお店の看板、ブランド名より「BE STUPID」のが大きいです。
Nikeの”Just do it"、Adidasの“Impossible is nothing"が優等生なメッセージに思えるほど
革新的で、かっこいいなと感じます。




「利口な奴は頭の言うことを聞く。馬鹿な奴はハートの言うことを聞く」
「利口な奴はそこにあるものしか見えない。馬鹿な奴はそこにありえるものも見える」
「利口な奴は評論をする。創造するのは馬鹿のほうだ」
「馬鹿はしくじることもあるかもしれない。でも利口な奴はトライさえしない」

現状維持じゃ面白くないですよね。 イノベーティブなチャレンジを志向するときに「BE STUPID」な考え方がいいな、と感じました次第です。。


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