2010年1月18日月曜日

【ロジックと戦略】

■「Twitter」

前回はTwitterについてお話しました。しかしTwitterは単なるツールです。それを活用するもしないも中身次第です。大学研究員や経営者、会社員、高校生などで数十万単位の”フォロー数”をもつ個人も多数存在します。企業だからといってユーザーが増える訳がありません。

危険なのはTwitterがはやっているから、とりあえずうちもそこで何かやっておこうか、、という考え方です。伝える中身と発信する個々人の情熱やクリエィティビティがなければ、寒いことになるのは目に見えています。

しかし、だからTwitterのことを知らなくていいということは話が違います。Twitterは単なる象徴です。メディア環境の変化を知らずしてビジネスはできないのではないかという話です。

前回もふれたとおり、10年ちょっと前には影も形もなかったGoogleやYouTubeやTwitterなどツールが急激に浸透しています。電波の希少性を前提に競争力を保ってきた放送モデルは崩壊しつつあります。

■「FREE」

週末「FREE」というビジネス本を読みましたAmazonランキング総合3位、ビジネス書で1位の本です。日曜の日経新聞の書評でも紹介されていました。

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

いくらコンテンツホルダーが抵抗しようとも、デジタル化されたコンテンツはいずれ無料化の方向への圧力がかかってくる。そんな中で、どこからお金を生み出すモデルが考えられるのかという話が展開されています。現在の地上波デレビが無料モデルです。我々は視聴料をテレビ局に支払わない代わりに購入する商品の中で、テレビ視聴料を間接的に負担しています。もちろんGoogleにもお金を払ってません。しかしGoogleは莫大な利益を稼いでいます。どうしてでしょうか?

課金モデルや広告モデルだけがビジネスモデルではありません。どこで儲けるのか効率的なのか? ゴールドラッシュで確実に儲けたのは、金を掘った人ではなく、ジーンズメーカーなど周辺ビジネスでした。 海外アーティストの中では、CDをライブ興行のプロモーションツールと位置づける例もでています。1円パソコンはなぜ成立しているんでしょうか?

■ロジックと戦略がなければ収益化できない。

ロジックや戦略だけでは、「ヒットコンテンツ」は生まれません。「ヒットに方程式はない」という言葉もあります。コンテンツへの理解と愛情、情熱があって初めてヒットが生まれる可能性がでてきます。自分が信じなければ感動を人に与えることはできません。

しかし「ヒットコンテンツ」があったとしても、もはやロジックや戦略がなければそれをお金に換えることすらできなくなってきています。 「FREE」の中では有料コンテンツの終焉について、その理由が分析されています。現在、音楽を知る手段は多様化し、情報にお金を払う必要もありません。海外アーティストの今をTwitterで即時に知ることができます。そして新しい音楽を強く欲する若年層の人口が激減しています。そんな中で、もはや感性だけではビジネスにならない時代になりました。 そんな中でメディアの価値は何なのでしょうか? これを真剣に考える必要があります。

会議室の中だけでいくら議論しても、解決策はみつかりません。基本を知らずに、いくらブレストしても付加価値のある答えは出てこないかもしれません。見識ある人に話を聞きにいく必要があります。本を読む必要があります。新しい知識を勉強する必要があります。それらは、全て会社の外から獲得しなければいけません。 会社として感性を大事にしながらも、状況を分析し、ロジックを組み立てていくことが戦略として重要になっていると思います。

忙しく仕事をすること自体に価値はありません。何かを生み出し、世の中に影響を与えることが出発点です。

外海に乗り出す準備は進めないといけません。船に水漏れがあれば塞ぐ必要があります。エンジンがへたっているなら、まずそれを補強しなければいけません。考えることが面倒だから、とりあえず甲板掃除をしときます、というのはもう成立しないと感じております。


.

0 件のコメント:

コメントを投稿