会社が変化をしていくときには、この意思決定のあり方の重要度が大きくなります。多くの物事をスピード感をもってロジカルに決め、着実に実行していく必要があるからです。
ロジックや数字よりも、コンセンサスや個人の思いや義理人情に重きがおかれ、その結果、「言った、言わない」の議論で時間を費やし、コンセンサス醸成にかなりの時間を割くことになると意思決定のスピードが遅くなります。ロジックとプロセスの共有が希薄なため、ブラックボックスが増え、しかも決定事項はファジーになりがちです。
先回ご紹介の大曽根語録にあるとおり「上司がファジーだと、部下はビジーになる」事態が多発します。
-*-*-
個人にとって最も有限で重要なリソースは「時間」です。ビルゲイツにも我々にも1日24時間というのは平等に与えられています。成果を生むも生まないも時間の使い方次第です。
その意味で、個々人が何に時間を使っているかということに対して、意識的であるべきです。どういう成果に結びついている時間なんだろうか?と常に問うべきです。 更に特にマネジメントにたずさわる人は部下の時間の使い方にセンシティブでなければいけないと思います。
コンセンサス社会では、会議が多く、長くなりがちです。意見は言い合いますが結論はあいまい、個人的な感想は多いですが、実体的な課題解決策の提案は少なくなります。会議の目的と内容と仕切りを見直し、成果の出る会議を増やすべきで、成果のない会議にとられる時間と頻度は削減すべきです。特に物事を決めない会議で時間を奪われるのは、大きな損失です。
少なくとも会議で皆が集まるとすれば、そこで会社の課題や問題点が抽出され、共有化され、「誰が、何を、いつまでにやるのか?」ということを一つ一つぶつけて、都度都度で判断し、そのプロセスを透明化することが、意思決定の品質を高め、スピードを速め、人を育て、組織力を高めることになると思います。 それが会議議長やマネジメントの役割です。
ロジックや環境が変化していけば一旦下した判断もかわるかもしれません。でも、それは当然のこととして許容すべきだと思います。全てが把握できるまで判断しなければ、何も決まりません。(但しギャンブルではないのでロジックなくして判断だけを迫るのは、ビジネスとしては許容されません) 。 その意味でも決定プロセスの透明化は重要です。
-*-*-
本質的な付加価値は社内、ましてや会議室の中にはありません。外からもってくるものです。
人に会う、本を読む、資料を調べる、現場をみて感じる、ユーザーとふれる、一人で考える、、そこに時間を割かないと成果は高まらないのではないでしょうか?
「会議を渡り歩いて仕事をしているつもりになるな」です。
フルスピードで考え行動しなければいけないときに、ムダな会議への出席は時に暴力的です。最近出た本で「吉越式 会議」というのを読みました。吉越さんというのは元トリンプ社長で19年連続で増収増益を達成した人です。 なぜそれが出来たのか、その最大要因は「会議」にあったと言っています。 会議のレベルが高まれば、経営のレベルも高まるはずだと。
意思決定の質を高める方策として「会議のあり方」見直しは管理職を中心としながらも全員で意識すべき重要課題ではないでしょうか? 簡単にはかわらないかもしれません。でも、どう改善すべきか、考えていきたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿