2012年4月22日日曜日

【ソープオペラなエンタメの可能性】

「ソープオペラ」って言葉があります。日本でいうと昼ドラ。スポンサーに石鹸会社が多かったところからこうい名前がついたらしいですが、視聴者に常習性をもってもらうために台本に工夫を凝らし、様々なシチュエーションでの老若男女が入り乱れ、恋愛や裏切りの愛憎劇が繰り広げられます。

そして、そういった要素をスポーツエンターテイメントに取り込んで成功しているのがアメリカのプロレス団体WWEです。これも優秀な脚本家によってつくられた台本をベースに昼ドラさながらに所属レスラー同士での愛憎劇が繰り広げられます。WWE会長のビンス・マクマホンやその妻、娘、息子まで本物のファミリーも総出演、大きなシナリオの中で各試合がショーとして位置づけられてストーリーが展開しています。ビンスは悪のオーナーと呼ばれ、娘はビッチ呼ばわり。試合にも参加し文字通り体を張った経営をしています。
そんなWWEは売上400億円規模のアクション・ソープオペラの総合エンタテインメント企業です。全世界で毎週1200万人が番組を視聴。ライブ、テレビ、物販、ライセンス事業から今後は映画製作も手がける戦略のようです。この振り切りが凄いです。

参考)
WWEはアクションソープオペラの総合エンタメ企業
WWEコーポレイトページ







なんでWWEの話を思いついたかというと、きっかけは「乃木坂46」。
最近、ネットのニュースで新曲の振り付けの”スカートめくり”がネットで不評だの秋元さんがスタッフに激怒したとか、Jリーグのイベントで浦和サポーター大ブーイングされたとかいろいろ話題がニュース化されています。それに呼応するようにソーシャルメディア上でも、曲がいいの悪いの、かわいいだ不細工だ、振り付けがいいの悪いの、、。馬鹿馬鹿しいと思いながらも一応YouTubeでミュージックビデオをチェックしようかという誘因になっています。
そして実際、視聴してみると、さほど下品でもないしクオリティも悪くない曲です。はからずもサビのメロディが何かに似ていると思い出すために頭を使うはめになってしまいました。悔しいですが乗せられてしまった訳です。



WWEも乃木坂46も誰がどうしようが、どうでもいいっちゃどうでもいいです。でもビンス・マクマホンも秋元さんも、それをエンターテイメントとしてちゃんと台本をつくり話題や刺激を提供している訳ですよね。



最近Facebookなどでネット上で流通している「EXILE相関図」ってのもありますが、これも「一生役に立ちそうのない、どうでもいい情報」として話題になっています。

社会が成熟してくると、コンテキストの共有を前提とした、こういうソープオペラなエンターテイメントも一つの事業機会、成長領域なんではないかと思った訳です。