今週号(2011.6.6)の日経ビジネスではアメリカンエキスプレス社のリーダーシップ開発に関する記事が紹介されておりました。 往々にして「リーダーシップ」っていうと、人を統率し、場を仕切るための”人間力”とか”カリスマ性”なニオイもする言葉ですが、その考え方は、もはや古いイメージとなっています。今、リーダーシップというのは、社員全員が行うべき業務、果たすべき責任、学習すべきスキルとしてて意義づけるべきのようです。
そんな中、アメリカンエキスプレスは、リーダーシップとは何かを以下のように明確に定義し、ブレークダウンし、実践させている先進的な会社であるようです。
◆定義
アメックスは「株主、顧客、社員にとって優れた成果を生み出すこと」がリーダーシップと定義。
◆行動
そしてリーダーシップにより成果を生み出す行動を4つのカテゴリーに分類。
・ Create Our Future(未来を創造する)
・ Inspire Our People(人々を鼓舞する)
・ Excite Our Customers(顧客を感動させる)
・ Deliver on the Promise(約束を果たす)
◆行動特性(コンピテンシー)
そして4つのカテゴリーを更に具体化し①~⑧に細分化。
・ とは
①戦略性 ②創造力
→ 「未来を創造する」ために必要な行動
③関係構築力 ④コミュニケーション能力 ⑤人材育成能力
→ 「社員を鼓舞する」ために必要な行動
⑥顧客尊重
→ 「顧客を感動させる」ために必要な行動
⑦実行力 ⑧誠実さ、成熟度
→ 「約束を果たす」ために必要な行動
すごくよく整理されているなと感心します。
そして、それぞれの具体的な定義や行動例まで示されているそうです。例えば「①戦略性」を発揮するためには、、、
・広い視野をもって戦略を計画や目標に明確に結びつける。
・競合他社の事業活動や市場動向に関する深い知識を示す。
・重要なビジネスドライバーを理解する。
・財務情報およびそのための企業情報や市場情報を用いてビジネスチャンスを見極める。
こうやって定義づけていくことで、各社員は、自分のリーダーシップで、どの能力、スキルが不十分なのかを意識できるようになります。それを会社として研修や評価や実際の業務を通じて高めていくシステムをつくっているということなんですね。
リーダーっていうのは自らの強みを生かしながら、真摯さを持ちながら、こういった能力を発揮し、成果を出していくべきものだと思います。
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リーダーシップについて昨今、「もしドラ」で話題のドラッカーも次のようなことを言っています。
「リーダーシップは資質ではなく仕事である」
「リーダーシップとは人を引きつけることではない。そのようなものは煽動的資質にすぎない。仲間をつくり、人に影響を与えることでもない。そのようなものはセールスマンシップにすぎない。」
http://diamond.jp/articles/-/1906
http://allabout.co.jp/gm/gc/377805/
http://www.nrf.com/Attachments.asp?id=20443 (パワーポイント)