2011年7月13日水曜日

【「Make Meaning」の話】

震災以降、企業の理念や志がこれまでになく強く問われるようになってきたと感じます。

宣伝会議6.15号の特集は「3.11以降の企業の宣伝活動」と「志のマーケティング戦略」でした。その中で、震災をきっかけに企業も消費者もその考え方が変わりつつあることが紹介されています。「消費者の側も、消費する責任を意識するようになる」、そして「消費することは、つまり、その企業や商品を支えること」、そういう感覚になっていくだろうという意見も載っていました。

これから、益々企業は社会的意義を真剣に考える必要がでてくると思います。そうでない企業は退場を迫られ、生き残っていけない世の中になっていくように感じます。

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そんな中、ガイ•カワサキさんという元Appleで働いていたベンチャーキャピタリストが起業の心得として「Make Meaning」というキーワードをあげていました。参考になったのでご紹介です。

カワサキさんは、ビジネスにおいて、まず考えるべき重要なエッセンスはその事業が「Make Meaning」しているかどうかであると言います。つまり、その事業が「世の中に対して新しい価値を提供しているのか」ということです。 ”社会的意義を見出すこと”、そこをはっきりさせないといけないということなんですね。

往々にして事業というと、多くの人は、まず「Make Money」つまり、どう稼ぐかだけを考えがちであるといいます。しかし最終的に成功する企業は、どうすれば世の中をよくできるのか、どうやって世の中を変えるのか、そういう意味づけを真剣に考えているということです。
逆に「Make Money」で始める会社は「Make Meaning」もしないし、最終的に「Make Money」もできないよとカワサキさんは指摘します。

そしてカワサキさんは事業が「Make Meaning」するための3っ道をあげています。

1. increase the quality of life 
                 人々の生活の質、幸福度を向上させること。
2. right a wrong
                 世の中の間違った事、ゆゆしき悪を正すこと。
3. prevent the end of something good
                  良いこと、すぐれたものを保全し継続させていくこと。

少なくとも、いずれか一つが当てはまっていれば、その事業は「Make Meaning」していると。まず、ここを検証することから始めよ、ということなんですね。 シンプルですが一つの指標になります。

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今週号の日経アソシエではユニクロやほぼ日が取り上げられていますが、柳井社長も、糸井社長も同じ主旨のことを言います。

◆糸井さんは社員に「お金より信用を選ぶチームにしよう」、「信用を重ねていけばお金は後からついてくる」と伝えているそうです。 「大勢の人に"この会社はあったほうがいいよね"と言われる会社でなければ、生き延びちゃいけなんだと思う」、「売り上げは世間から信任されたという票と同じ」(「日経アソシエ」2011.7.19インタビュー)

◆柳井さんは次のように言っています。
「”会社”がある前に”社会”がある。社会にとって価値があるものとは何か。それを考えて経営しない限り、企業の成長はあり得ません。自分たちの会社は何のために存在し、いかに社会に貢献できるかを考える」(「考える人」2010夏号)

これまで紹介した「マーケティング3.0」も「Start with Why」も同じでした。マーケティング戦略も事業戦略も組織戦略もすべて、企業の社会的意義、責任、理念の重要性に向いています。
要するに「君らが”Make Meaning”するポイントは何なのよ?」ということなんですね。

参考:
http://youtu.be/lQs6IpJQWXc  Guy Kawasaki 講演YouTube
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2011年 7/19号 [雑誌] 
(ユニクロ、ほぼ日の現場力)
宣伝会議 2011年 6/15号 [雑誌] 
(志のマーケティング戦略 3.11以降の宣伝活動)
完全網羅 起業成功マニュアル ガイ・カワサキ著(「The Art of Start」の翻訳本)



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