2011年8月13日土曜日

【ソーシャル化の中の3Sとか3Cの話】

CNETJapanの記事で本田さんという方が、これからの日本の消費のトレンドとして「3S」を提言しています。その「3S」とは、ソーシャル(Social)、サスティナブル(Sustainable)、シェアラブル(Sharable)のこと。

その昔、高度成長時代のキーワードは「3C」。それはカラーテレビ、クーラー、自家用車(Car)のことでした。特にテレビは戦後復興を経た国民に対して、明日は、来月は、来年は、今日よりも豊かになる、その姿を映し出す装置として有効に機能し、広告を通じて大量生産、大量消費社会を先導しました。

しかし、モノの所有が豊かさだった時代が終焉しつつあるなか上述「3S」で取り上げられているキーワードは「モノ=商品」のではなく「コト=行動」へのシフトのことです。

アメリカでは「スペンド・シフト」という本が話題になりました。大量消費社会の権化のようなアメリカさえ消費行動の価値観の変化が進んでいるという話です。従来、消費とは自分が所有するモノを買うため、自分が受けるサービスのためのものでした。しかし、今現れてきている消費トレンドは、”社会に希望をもたらし、人の絆を強めるようなモノやサービスを支援するための消費、希少な「購買力」を「投票権」のように行使する消費”です。

これから日本でも震災を経て生活者の消費トレンドがきっと大きく変わっていくと思います。「3S」つまり、消費自体が社会貢献につながり、持続可能社会を実現させ、みんなとの共有につながる、そんな行動に価値を見出す消費社会への転換です。

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そんな「3S」(SocialでSustainableでSharable)な社会への移行の中で、変化のキーワードにいろんな「3C」を使った考え方みつけたので紹介します。

◆まず夏号の「Think! ソーシャルメディアインパクト」で取り上げれられていた3CはCommunication(通信業界), Commerce(広告業界), Contents(コンテンツ業界)。ソーシャル化によって、この3業界に大きな変化がもたらされるだとうという話です。ここらへんはまた別途の機会に考えたいと思っています。

◆次にソーシャル化の中で、変化する情報流通形態の中で、人々もその役割、立場によって3Cに分類されるという話です。それはCreator, Curator, Consumer。経済活動がソーシャル化される中で、元情報を発信する人、有用な情報をあるテーマをもって収集し再発信する人、それを受け取る情報消費者が生まれます。これはある人がCreatorになることもあれば、Consumerになることもあるということ。でも間にCurator,が入ることが、これからの社会の変化を現していると思います。

◆こんな3Cもありました。それはCommunication(対話)、collaboration(協力)、contribution( 貢献)です。ソーシャル化の中で人とのコミュニケーションが容易になり、関心がある事項に対して人と人との協力が容易になり、社会に対して自分ができる範囲での貢献ができるようになる社会の到来です。

◆ちょっと毛色が違いますが将来を決める結婚相手の条件の3Cの話もあります。それはcomfortable、communicative、cooperative、快適で、理解しあえて、協調的であること。つまり贅沢をしなくても子育てができる程度に充分な給料があって、価値観やライフスタイルが一緒で、家事をすすんでやってくれる人と結婚することが幸せなんじゃない、という考え方です。ここでも一昔前の「三高」(高学歴・高収入・高身長)みたいな「モノ」的なことから「コト」へのの価値感の変化が加速していると思います。

こんな3Cな変化の中で有名なマーケティングの3C、Customer、Competitor、Companyを分析する切り口も変化してくるに違いないですよね。もちろん昔ながらの3S(整理、整頓、掃除)もビジネスの基本として忘れてはいけません。

生活者の消費行動が変われば当然のこと産業の構造も社会も変わっていくはずです。2011年は、そんな人々の生活や社会や国家の変化の始まりの年のように思います。そんな年に震災が起こったにも偶然と思えない気がする訳なのです。

(参考)
3S (Social, Sustainable,Sharable)
3C
Curation Economy (creator, curator, consumer)
書籍