そんな中、よくある例えで、会社を大海原を航海する船にみたてて説明すると、、というのがあります。
「経営理念」は航海における「北極星」に例えられます。
まずもって企業というのは社会的存在なので、その目的、使命がなければ存在の意義がありません。逆に言えば「目的と使命をもたない団体は企業ではない」ということです。
「何を信じて、何を究極的な目的として生きているのか」を出発点として企業は活動を開始します。そういった意味で進むべき方向を示す北極星が必要です。それが経営理念ということです。
◆ビジョン
「ビジョン」というのは航海におけいて次に「目指すべき島」に例えられます。
北極星の方向に進むにしても、じゃあ当面、どこをゴールにして航海するのかがないと、判断基準があいまいになり、アクションに結びつきません。具体的な到達地点が明らかにあれば、成功イメージ、そこに至るプロセスが共有できます。
ビジョンが明確であれば、それを達成するために乗組員はそれぞれ、自らの使命を考えることができます。理念をふまえビジョン達成のためになすべきこと、それがミッションということもできます。
◆戦略
「戦略」は、「目指すべき島」への航路、方法論ということができます。
目指すべき島を決めても、そこに到達する手段は多様な選択肢があるはずです。
天候や海流の状況によっても航路が変わるでしょうし。海賊に出くわすかもしれません。そういった外部環境を分析する必要があります。また船の性能、燃料や食料の状況、乗組員の体力やスキルなど内部分析もふまえないといけません。
多様な選択肢の中から、最善と思われる判断をチョイスしないといけないということです。事業環境と内部リソースをふまえ、最適な判断をしていくこと、それが戦略です。
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理念やビジョンは全ての出発点です。それを考えたからといって、売上や利益にすぐ結びつくわけではありません。しかし、どっちの方角に行くかも決めず、当面のゴール地点も決めず、とにかく出航だ、というほど危険な話はないですよね。南極に行きたい人と北極に行きたい人は同じ船に乗ってはいけないし、ゴール到達に必要な人員や物資がわからないまま出航して餓死したくありません。ゴールを共有しないままで一緒に働いていると、いろんな判断でズレが生じてきます。作業の本当の意味がわかならければモチベーションは高まりません。
理念やビジョンを握った上で、次は会社を構成する個々人のミッション設定とコミットメントをとることが重要になります。理念やビジョンがあいまいだと、コミットメントもあいまいになります。個々人が自分の都合のいいコミットをして、成果を主張されても困りますものね。
「この嵐の中で、そんな一生懸命、甲板掃除されてもな」とか。
「僕は北じゃないと思ってるんですよね」と言われてもね。
「だったら降りろよ」ってことですものね。