2011年5月29日日曜日

【音楽ビジネスはいずこへ?】

前回はFacebook, TwitterなどSNSサービスやYouTube, Ustreamを始めとする映像配信サービス、その他、課金決済サービスを始め、様々なインフラが オープンでグローバルなプラットフォームとして整備が進んでいるという話をしました。そして、そんなプラットフォームを使って、企業だけに限らず、個人やアーティストも自ら発信し、ユーザーと直接コミュニケーションを図ることも可能になりました。

◆レディー・ガガのビジネスモデル

そんな中、先日「レディー・ガガに学ぶビジネス戦略」って記事が発信されてました。いろんなソーシャルメディアを縦横無尽に活用して、自らを発信し続けているLADY GAGAについてドイツのビジネススクールの教授が、その戦略に注目し、これは企業の戦略にも使えるという指摘をしているという話でした。LADY GAGAはFacebookで36百万人のファン。Twitterで10百万人のフォロワー。YouTubeのオフィシャルページで再生回数も億単位。へたなメディアや企業より影響力があるのは確実です。こうなってくるとレーベルやメディアに頼らず自分主導でいろんなビジネス展開ができてしまいますからね。
http://jp.reuters.com/article/entertainmentNews/idJPJAPAN-21376320110526

◆レベッカ・ブラックのヒット

一方、LADY GAGAとは真逆な素人が、ソーシャルメディアから新しい形のヒットを作り出したという話を聞きました。音楽やダンスが好きだった13歳の娘レベッカの為に母親がロスでレコーディングと音楽ビデオの制作を30万円ぐらいで請け負う会社に制作を依頼。結果、出来上がった曲「フライデー」は2月にYouTubeに投稿され、3月に火がつきます。
でも話題になった原因は「史上最低な曲」という酷評。聴いてみると確かに酷い曲です。それでも再生回数は1億5000万を超えてます。
http://www.youtube.com/watch?v=vH--AdCVUek(日本語訳詞つき) 
参考ブログ:http://yogakutengoku.blog135.fc2.com/blog-date-20110418.html

これから日本でもきっと、ソーシャルメディア上から、こういうアーティスト?がでてくるんだろうなと想像します。カリスマな大物だけでなく、酷いアマチュアから、一部のコミュニティにだけで成立するマイクロな音楽ジャンルやアーティストまで。

◆2010年の日本の音楽市場実績

そんな中で今の日本の音楽市場の状況については、4月に日本レコード協会が「日本のレコード産業2011」ってレポートを出してます。
http://www.riaj.or.jp/issue/industry/pdf/RIAJ2011.pdf

音楽ソフト市場全体としてみると、2007年まではCDの落ち込みを音楽配信でカバーと言えてましたが、2008年から市場全体でダウントレンドに入りました。


















◆要するにAKB48と嵐

CDシングルは前年比+10%ぐらいになっているようですが、これはAKBと嵐の効果が大きく。AKBと嵐を除くと、CDシングル市場もマイナスのようです。
2010年のオリコン年間シングルランキングトップ10が以下です。見事です。

1位 : 95.4万枚 … AKB48「Beginner」
2位 : 71.3万枚 … AKB48「ヘビーローテーション」
3位 : 69.9万枚 … 嵐「Troublemaker」
4位 : 69.6万枚 … 嵐「Monster」
5位 : 66.0万枚 … AKB48「ポニーテールとシュシュ」
6位 : 65.6万枚 … 嵐「果てない空」
7位 : 62.0万枚 … 嵐「Lφve Rainbow」
8位 : 59.7万枚 … AKB48「チャンスの順番」
9位 : 59.1万枚 … 嵐「Dear Snow」
10位 : 51.6万枚 … 嵐「To be free」


参考:
http://blog.livedoor.jp/ustan777/archives/51776739.html
http://www.oricon.co.jp/music/special/2010/musicrank1220/index02.html

そんなAKB48のニューシングル『Everyday カチューシャ』は、既に165万枚出荷だそうですね。なんでも「AKB選抜総選挙」の投票用カードが封入されていて5500枚購入した強者もいるとのこと。もはや「楽曲」を買っている訳じゃないんですね。

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音楽ビジネスはこれからどこに向かうんだろうかと思います。アメリカとか海外の事例をみていくと、次に日本が向かうトレンドもみえてくるかもしれません。


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