先週は近頃話題の"リアル脱出ゲーム"というのを体験してまいりました。ネットコミュニティが進展する一方で、こういったリアルな場でのインタラクティブ体感型コミュニケーションイベントみたいなものも、今後も増えていきそうだなと思いました。これはSCRAPっていう会社が企画しているようですが、今後、東京ドームからの脱出や恋愛相談王決定戦なども開催するみたいです。コンセプトを明確にして、うまく場を提供すると、人はわっさり集まりますからね。 http://www.scrapmagazine.com/
さて、前回は、ヒットメーカーさん達のコンセプト発想についてお話しましたが、それに関連して感想コメントもいただきました。内容は、、、
『秋元さんや任天堂の方が言うところの「マーケティングはやらない」「ユーザーの声は聞かない」というのは彼らだからこそできることなのではないかと感じます。彼らはきっと、誰よりもマーケティング感覚とユーザー感覚をもっていて、過去の経験や取り巻く背景を読み解きながら、頭の中で自身の考えに突っ込みを入れながら、検証しているのではないかと思います。結果、自分の考えがユーザーに受け入れられている「姿」が見えるからこそ、(それが見えていない)他の人が反対しても、自信を持って貫くことができるのではないかと。だから、マーケティングをやらないこと、ユーザーの声を聞かないことだけを真似すべきではないし、自分も「根拠のない単なる思い込み」で考えを進めることのないよう客観的な視点を養っていきたいと思います。。』
という主旨だったかと思います。全くもって、その通りですよね。
秋元さん達にとって“マーケティングしない”、“ユーザーの声を聞かない”という意味は、“自分で考え抜いた仮説なくして、何を調査、ヒアリングしても、良いアイデアにはつながらないよ”、と意味に近いのではないかと思います。 日経ビジネスのヒット番付も1位Twitter、2位 iPad、3位 食べるラー油、4位 ハイボールでしたが、いずれも、ユーザーに事前アンケートで商品サービスのコンセプト説明をしても、きっとニーズがあるかないかなんてわからなかったのではないかと思います。でも、企画者の思いと仮説はあったはずですから。
逆に、膨大な調査データやシュミレーション資料があっても往々にして、うまくいかないのが”お役所仕事”ですよね。政治家がハコモノ公共投資予算案を通すために、役人に机上の資料をつくりまくらせても、そもそものマーケティング感覚とユーザー感覚が欠如している場合に、ユーザー不在の道路や空港やイベントホールが出来上がってしまいます。
ヒット商品、ヒットサービス、発展する企業の背景には、必ず出発点となるコンセプトがあると思います。そして考え抜かれたアイデアであれば、必ずしも膨大なマーケティング説明資料がなくても、そのアイデアのコンセプトは説得力をもって簡潔、明瞭に答えられるはずだと思います。
★アマゾンの事業コンセプトについてジェフ・ベソスは「我々のビジネスの中核はモノを売るのではない。我々のビジネスの本質は人々の購買決断を助けることにある」といっていたそうです。
だからユーザーレビュー機能やレコメンエンジンなどのシステムに膨大な投資をしたり、マーケットプレイスを仕掛けたりしたことにつながっています。このコンセプトのもち方が他のネット通販ビジネス会社との差異になったんですね。
★スターバックスの事業コンセプトは「我々は人々に家、職場ではない、第三の場所を提供する。人々にゆったりとした雰囲気の中でリラックスするという経験や文化を売ること。コーヒーそのものは、そのための手段である」ということのようです。
これを実現するために、店の立地やインテリア、スタッフの行動、メニューをどうするかを考えているという順番になっています。コーヒーショップが成長するとは思わなくても場の提供に商機を見出したんですね。
企画も事業コンセプトもみんなに簡潔、明瞭に説明できるぐらいに考え抜いて実行してことが必要ですよね。 もちろん、それだけで成功するほど甘くありませんが、失敗する確率を下げたり、失敗から学ぶことはできるかもしれません。
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