2011年1月6日木曜日

【宇宙戦艦ヤマトの話】

2011年が始まりました。そんな中、正月休みに、ふらっとシネコンへ行きまして、ちょうど時間が合った「SPACE BATTLESHIPヤマト」を観てまいりました。(期待してなかった分、すごく良かったです。)

Space_battleship

ヤマトに志願した乗組員全員が目的を共有し、それぞれの持ち場で主体的に時には自らの命を犠牲にしてまで全力を尽くしていきます。なんたって地球に残した人たちの期待を一身に背負っている訳ですからその重責は半端じゃありません。 ガミラスからの情け容赦のない攻撃にさらされ、船は荒波どころか、九死の一生の連続で、満身創痍で目的地イスカンダルに辿りつきます。。。

この物語をみていて、“ヤマトの登場人物達が何をしているか”をふと冷静に考えてしまいました。「次から次へと意思決定をしてるということなんだな、」と。

イスカンダルに本当に行けるのか?、そもそも、そんな星が本当にあるのか?。そこに行けば放射能除去装置が手に入るのか? 何の確証もない。罠かもしれない。でも、そこにしか希望がないなら旅立つしかない。「もう無謀だ、無茶だと言っている場合じゃないんだ!」 防衛長官は叫びます。

テストもしていない波動砲を使うのは無謀だ、だが、ここで撃たなければ、いずれにしてもやられる。ここで仲間を犠牲にしなければ全員が死ぬ、大義のために何をしなければいけないのか。
、、、等々、登場人物達は、わずかな希望に賭けて、これでもか、という程の意思決定をしていく物語なんですね。

倒れた沖田艦長に代わり指揮をとることになった古代進(キムタク)は悩みます。 仲間を見捨てた僕には指揮をとる資格なんてない。「僕は沖田艦長にように淡々と指揮をとることなんて出来ません!」 そこで沖田艦長が古代に言ったのは「指揮をやったものにしかその重圧は分からないんだよ」と。
!そうか、あの百戦錬磨の沖田艦長でさえ、意思決定し、指揮命令をすることに迷い、重圧を感じ、苦渋の決断をしてきたということなのかと。 
ヤマトの場合はわかりやすいです。一人一人が迅速に自分の責任で意思決定をして行動し、対処していかなければ、仲間が死ぬ、自分が死ぬ、地球の希望が途絶えるということですから。 戦闘オペレーションにおいては、意思決定が文字通り運命を決めます。
でも考えてみれば、意思決定が運命を決めるのは戦争だけではありませんよね。ビジネスだって同じなんです。人が死ぬことは少ないですが、一つ一つの意思決定が会社の運命を左右している意味では同じです。
波が低い海では、大きな意思決定をしなくても、オペレーショナルに進んでいくことは可能です。しかし荒波になってくると全乗組員の主体的でベター/ベストな意思決定の集積がなければ転覆することだってありえます。
荒波にもまれ、制約条件や問題が山積する中での意思決定というのは、不確かで、難しいものです。しかし希望のあるほうに向かって選び取っていかなければいけないものということですよね。

マクドナルド原田社長も日経ビジネスの新年対談で次のことを言っていました。

『日本人は「これが課題です」、「こんな問題があります」と、バーッと言いますよね。一方、アメリカ人は絶対に「問題です」なんて言いません。“Challenge and opportunity.”ですよ。仕事に対する姿勢が全く違う。最大の機会というのはどれだけあって、それに向かってどこをゴールとするのか。それを踏まえて、目の前、第一歩はどこまで行くのか。日本人もこういうふうに考えないと駄目なんです』、、と。

ヤマトの航海も課題と問題だらけでしたが、沖田艦長も古代も「問題だ」とは言いませんでした。「必ず生きて還る」、「可能性を本物の希望に変えよう!」と戦い続けます。

まさに日本が忘れかけている“Challenge and opportunity”ですよね。



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