最近、テレビ番組をみたり、社内のミーティングで話している中で、よく「○○感」というワードが出てくることに改めて気づきました。 「仕事やってる感」とか「汗かいてる感」とか。
この「やってる感」のニュアンスを考えるに「客観的にみた結果や事実とは無関係に、本人的には、あたかも成果を出したり、汗をかいているようにふるまいアピールしている様子」とでもいいましょうか。
なぜこの「やってる感」的な表現が多用されるんでしょうか? 難しく考えると、社会が専門性を基盤とする知識社会に移行しているので、目に見える体を動かす作業だけでは成果を得にくくなっていることが背景にあるのかもしれませんね。
実は世の中、本当に成果に直結している仕事っていうのは意外と少ないと思っています。 会議に出たり、プレゼン資料をつくったり、情報を集めたり、接待していることが本当に成果につながっているのかどうかは、多くの場合、はなはだ疑問ですからね。
しかし、組織に属している人は、たいてい自分の成果を誰かに説明する責任を負わされています。社長だって取締役会に、取締役だって株主に対して説明しなければいけません。 「成果はありませんでした」ではすまされません。それじゃ普通は降格、減給、クビになってしまいます。 従って誰しもが、成果が出ていることをアピールするか、少なくともその努力していることを可視化しないといけません。
そうすると各人がアピールするために、「やってる感」を出したくなりますよね。
(ただし中には「やってる感」であることも気づかず、本当に仕事をしていると思っている人もいるかもしれません。忙しいと充足感や達成感が得やすいですからね。 特に歳をとって家庭に見放されたりすると間がもたなくなりますから例えば会議ってのは間がもって最高です)
さて、提案型営業としては、そんな実体とは無関係にみえる「○○感」も、うまくソリューションしてお金にしたいですね。
先のとおり、誰でも成果の説明責任を負っているが普通です。企業のプランナーやプロモーター、広告代理店の担当者も同じです。自分の仕事がどのように成果に結びついたか、上司やまわりに説明しなければいけません。そうなると、本当に成果があったかどうかというより、いかに自分が貢献した成果をわかりやすく伝えるかも重要なことになります。
うちは実質的な成果につながるソリューション提案もしますが、クライアントの担当者様の「仕事やっている感」もソリューションもいたしましょうと。
その為には、クライアントのことを全部、考えて、一から十まで、やってあげるのではなく、あえて最後の一押しを残しておくとかの工夫も必要かもしれません。パッケージ提案ではなく、オーダーメイド感を演出し、相手の「自分で考えた感」、「汗をかいた感」を充足させてあげるとか。
それで「いやぁ、○○さん、さすがっすね。最高っす」みたいに褒め上げて悪い気はしないでしょうからね。
数字で説明できるのもポイントが高そうです。例えば効果はともかく「WEBのPV数がこんなにありました!」のほうがなんとなく具体的な成果っぽい感じがありますからね。 「もろもろスケジュールを調整して、あっちこっちでメディアに出演して、告知して、もう忙しくって大変っすよ、、」という「汗をかいている感」も重要そうです。 稼動が伴うと社内の会議でも報告にちょっとしたトラブル話などでストーリーがつけやすく「頑張ってる感」が出しやすそうですからね。
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