2010年11月15日月曜日

【キュレーションの話】

昨日は東京ビッグサイト開催の三国志イベントやら同人誌即売会などを覗いてきました。どちらも、でっかい会場に若い人達がわっさり。 有名人が出演しなくても人は集まり、企業が介在しなくても大きな商取引が行われているんですね。

さて、今回は「キュレーション」の話です。 この言葉、知ってますか? ちょっと前からメディア業界などで、流行り始めているキーワードです。 また胡散臭いな」という方もいるかもしれません。

でも、この“キュレーション”という概念も、戦略を考えるにあたって結構、重要な言葉だと思ってます。なので、今後、いろんな角度からこの説明を試みていきたいと考えております。

大まかにいって「キュレーション」とは、

情報やコンテンツを収集し、選別し、それらに「意味づけを与えて」、共有するという概念
です。この“意味づけの付与”というプロセスが重要な特徴なんですね。

例えば、美術の展覧会においての「キュレーター」の仕事は、“展覧会のテーマを考え、参加アーティストやアート作品を選択し、しかるべき展示会場に、好ましい効果を発揮するようにアート作品を設置し、カタログに文章を執筆すること”のようです。

コンテンツを集めて並べて共有するだけでは、キュレーションとは言いません。 コンテンツに対する意味づけの付与がないからです。 多くのVOD事業者は映画や音楽コンテンツを所有者から買い集めて配信して儲けようとしています。成功するためにはキラーコンテンツを多く揃え、サービスブランドを認知させて人を集めようとします。結果、コンテンツコストとプロモーションコストがかさんで、なかなか儲かりません。 これは単なるコンテンツアグリゲーターなんですね。

「あなたが好きなものを、好きなときに、どこからでもアクセスできますよ」とその利便性をアピールします。しかし、もはや受け手は、そこに高い価値を感じなくなっているように思います。 一生かかっても消化できない情報過多の中で、どうやって本当に必要な情報に触れられるのかに興味は移っていくのではないでしょうか。

ユーザーが接触するコンテンツを選択するために必要なのは網羅されたリストではなくて、意味づけ、文脈によってフィルタリングされたメニューではないでしょうか。

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でも、この「キュレーター」って放送局や雑誌などのメディアの仕事において重要な概念だと思います。 例えば “コンセプト、テーマを考え、出演者をブッキングしたり、好ましい効果を発揮するように番組を演出し、編集し、しかるべき時間帯に編成し、番組情報を発信する”ことなんですよ、、とか。

メディアはこの「キュレーション力」を意識的に高めていくことによって広がるビジネスチャンスがあるんではないのかと感じています。 重要なのは“意味づけの付与”です。
「Curation Is King」

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