2010年11月29日月曜日

【大江戸温泉物語の話】

さて、「大江戸温泉物語」です。 先日、子供にせがまれてお台場に行ってきました。行ったことがある人はおわかりでしょうが、江戸の町並みを再現した温泉テーマパークです。入館すると、色とりどり浴衣を選んで着替え、江戸の町人になった気持ちで、非日常的な空間を味わいつつ、くつろぐといった趣向です。









Wikiによると「江戸開府400年にあたる2003年3月1日に開業」、「江戸の町を再現したお台場の新名所として、気軽な温泉施設として老若男女から人気。」とのこと。 行ってみるとファミリー層のみならず客層として韓国ほか外国からの若いカップルやグループも目立っていたのも印象的でした。

2007年からは経営破綻した地方の温泉旅館を買収したりして大江戸温泉物語的な個性的な施設を全国展開。2005年に40億円の売上が2010年には160億円まで成長しているとのこと。 経営は、かの有名人、キョウデンの橋本ひろしさんなんですね。 橋本ひろしさんはSOTECを上場させ、長崎屋を再生し、SHOP99を育成した人です。

詳しい経営状況等はわかりませんが、そこに成長のポイントがあるとすれば、やっぱり、まずコンセプトが立っているからではないかと思います。「誰に、何を、どのように提供するのか」、それを言葉に練り上げてユーザーに向けて分かりやすく発信しているということです。

コンセプトにこだわっている様子は、当初2億円かけた設計図で建築確認まで行ったのに、それを破棄して設計会社を変えてやり直したってエピソードからも窺えます。当初プランは江戸の町に囲まれた30いくつの露天風呂があり、そこで男女が一緒に水着で入浴するというものらしかったです。「江戸で水着はねえだろ」ってことですよね。

客観的にみれば施設としてあるものは、大小各種のお風呂、マッサージ、ゲームコーナー、食事場所、お土産店、リラックスルーム等々であり、他の大型温泉施設と大きく違いはありません。でも「大江戸温泉物語」の訴求ポイントは温泉ではないですよね。あくまでも江戸をテーマにした非日常空間、物語を楽しんでもらうことだと思います。

コンセプトを練り上げ、言葉にすると展開方法や企画も自ずと焦点が定まってきます。遊び処では手裏剣投げを設置しようとか、食事処には江戸前寿司屋台を出そうとか、イベントは大道芸にしようとか、宿泊施設は「伊勢屋」って名前にしようとか、WEB情報はかわら版って呼ぼうとか、、。 そういった運営工夫の積み重ねがスキルとなり、ノウハウとなります。他に転用できるフォーマットができます。

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コンセプトという言葉を検索してみました。
「概念、観念」、「全体を貫き、骨格となる発想や観点、思想、理念」。
「基本アイデアが、消費者にとって意味を持つ形に落とし込まれたもの、購買理由となるもの」、「アイデアを、消費者に向けた言葉に練り上げて表現したもの」、「コンセプトとは売りたい「もの」を売れる「商品」に変えるためのツール」、、等々。

今後、メディアが様々な新しいトライをしていく中でも、常にコンセプトのありようが重要であると思います。 それを短く言い表せる言葉にすることです。そこから手段がみえてきます。

意思をもってビジョンを掲げ、目標を設定し、コンセプトを練り、集約した名前につけて伝えていく。少なくとも、それがなければ成功の必要条件が整わないと感じます。

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