2010年11月25日木曜日

【SUUMOの話】

最近、あらためて存在を知った不動産・住宅サイトにSUUMOっていうのがあります。
http://suumo.jp/





ゼクシィ、HotPepper、とらばーゆ、fromA、ケイコとマナブ、じゃらん、エイビーロード、カーセンサー、R25、リクナビ、、、。 共通点がわかりますよね。 全部リクルートのブランドです。 

そんなリクルートの昨年度の業績をみてみました。人材派遣業などを除く単体で売上3189億円、営業利益584億円、18%の利益率です。 ちなみに他のメディア関連をちょっと調べてみると、電通は売上1兆6000億円あって営業利益373億円(2%)。東宝が売上2017億円、営業利益191億円。 フジテレビは5800億円の売上で営業利益92億円(2%以下)。 TBSの放送事業は2000億円の売上で100億円の営業赤字でした。 いかにリクルートの利益率が高いかがわかります。

ではリクルートっていったい何をやっている会社なんでしたっけ? 広告代理店? 出版業?、情報サービス業? 「業界地図」をみると、いたるところにリクルートの名前がでてきます。既存の業種でくくることが難しいからなんでしょうね。 

生活を軸に個人と企業の情報マッチングをしているという見方もできます。進学して、就職して、転職して、結婚して、家を買って、子供が生まれて、子育てして、旅行して、車を買って、、など、生活局面で必要となる情報にフォーカス、深堀りして、テーマをもとに集約した情報をコンテンツ化して発信しているということです。

SUUMOもそうです。“あなたの住活を応援する不動産・住宅サイト”と称して情報を集約、発信して人と企業を集めています。 考えてみれば、本来、お金にできるコンテンツ(マンション)をもっているのはマンションデベロッパーです。 そのマンションを買いたいというユーザーがいます。 両者だけでも取引は成立するはずなのに、なぜかSUUMOはその間に立って市場を仕切っている立場に立っています。

マンションデベロッパーに対しては、「うちはマンション購入見込み客の有用な情報をもってますよ」といい、ユーザーに対しては「うちは販売されるマンション有用な情報をもってますよ」 といいます。 両者はそれだったらと言って自分の情報をSUUMOに提供します。結果、有効なマーケティングデータは全部SUUMOに蓄積され、それを使ってSUUMOはマンションデベロッパーに対して販売支援、コンサルを行い、ユーザーに対しても、購入ノウハウを提供することができます。クライアントもユーザーも喜び、SUUMOも儲かります。 


つまり自らのミッションをかかげ、SUUMOという名前のもとで、キャラクターをつくり、WEBサイト、フリーペーパー、モバイル、アプリ、“SUUMO住宅展示場”、“SUUMO LAND”というイベントまで多メディアに展開し、クライアントにも、ユーザーにもソリューションを提供しているということですよね。

ここでSUUMOはメディアとして機能していますが、コンテンツそのものを買いに行っている訳ではありません。メディアに徹して人とコンテンツが自然に集まるシステムをつくっているということです。

ここにメディアビジネスモデルの一つの可能性が広がっていると思いませんか?

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