2011年4月18日月曜日

【街角テレビからYouTubeまで】

●1950年代
日本でテレビ放送が開始されたのは1953年。もちろん白黒の小さい画面。20インチ~足らずの街頭テレビに群集が食い入っている写真があります。1954年の「力道山vsシャープ兄弟」では新橋駅前に2万人が集まったそうです。家庭に普及し始めて皆、テレビに没入し、わくわく度マックスに振り切れるぐらいのメディア体験をしていたのではないかと思います。 
← 新橋駅で街頭テレビに群がる人たち。 
●1960年代から1970年代
1960年代に入ると、カラー放送が始まりました。僕も子供のころにウルトラマン、巨人の星、オバQ、サリーちゃん、ゲバゲバ90分、、次から次への怒涛のような楽しいテレビ体験に没入しました。
1970年代にはいるとドリフ、スタ誕、マジンガーZ、キャンディキャンディ、と学校の話題はテレビを中心にまわっていました。ちょうど、ちびまる子ちゃんの舞台になっている時代(1975年頃)です。

●1980年代から1990年代前半1980年代になると家庭にはビデオが普及し始めます。テレビにあわせていた生活が変化、チャンネル争いも軽減します。ファミコンなるものも登場し、テレビは単に放送を受けるだけのものではないという認識変化が起こりました。 でも1990年代、フジテレビの月9全盛時代は、街からOLが消えるといわれる現象もあったほど、まだまだテレビには絶大な影響力がありました。テレビからヒット曲やタレントがどんどんブレイクしました。 そんな中で、1990年代初頭ぐらいから徐々にインターネットなるものが話題になってきました。

●1990年代後半1990年代の後半Windows95の登場ぐらいから個人で(低速で高額な)ネットの利用が始まってきました。単にネットを閲覧しているだけなのに「ネットサーフィン」というのが、なにやらおしゃれな響きさえあった時代です。1990年代の後半は携帯電話の個人普及も立ち上がり始めます。
ただ、この当時は、まだネットやケータイがテレビのビジネスモデルに大きな影響を及ぼすとまでは想像していませんでした。ましてメディアの位置づけでもありませんでした。何か便利なツールになっていくのかな、という感覚でした。 (i-modeの登場は1999年です)
そんな中、1998年にスカパーが放送開始。 なんとテレビから何百ものデジタル高画質の多チャンネル放送がみれる! しかも宇宙衛星から降ってくるなんて!という先進的なニューメディア登場でした。
そんな1998年はアメリカの大学生がGoogleを創業した年でもあります。ネット上ではYahoo!、MSN、Exiteなどポータルサイトが乱立します。2000年にはドットコムバブルがピークを迎えます。

●2000年代前半
2000年代に入り、PCネットやi-modeが更に普及しはじめると、放送業界では「ネットはテレビの敵なのか」みたいな議論も起きてきました。 「どうも最近、ネットとテレビを一緒にみている人も多いらしい。その現象を“ダブルウィンドウ”、“ダブルスクリーン”と名づけよう」なんて話もありました。
テレビの薄型大画面化も始まります。でも最初のころは50万円以上の高額商品。それでもデジタルハイビジョンは新しいテレビ体験を感じさせました。
一方、総務省は新しい放送の枠組みとして、次は高機能放送だ、という方針を打ち出しました。デジタル放送の特性を利用し、データ放送や双方向で新しい楽しみや利便性を追求しようという戦略です。110度CSは、高機能放送メディアとして免許審査が行われました。しかし、この目論見は完全に外れました。通信回線が高速大容量化すると、テレビのVODにも期待が集まりましたが、これも大きく成功しませんでした。 

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テレビはカラーになって、高画質化して、大型化して、双方向機能を備えました。でも90年代まであった、テレビ没入体験、わくわくMAXな体験はだんだんと減ってきたように思います。

テレビやネットなどメディアの種類ではなく、わくわくするようなメディア体験ができるところに、人は集まり、そこからビジネスの成長が始まります。技術的に可能なことがユーザーの求めることではないんですね。

そんな中、2004年にMixiやGREEが事業を開始します。アメリカでは2004年にFacebook、2005年にYouTubeが始まります。それが2000年代の後半に差し掛かる頃のことでした。 (続く)
 
 

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