2011年4月1日金曜日

【ベーコンor エッグの話】

さて今週、本屋でふらっと買ったのが「マネージャーの実像 ~管理職はなぜ仕事に追われているのか~」。
読んでみて、“そう、そうなのよ ”と納得のエピソードや説明があったので、いくつか紹介します。(ちなみに、ここで使うマネージャーとは、社長から課長まで管理職全般のことを言っています)

●マネージャーとは指揮者なのか?
①ドラッカーはマネージャーとは「オーケストラの指揮者に似ている」というたとえを使いました。一つ一つの楽器の音だけでは意味のなさないものも、指揮者の努力とビジョンとリーダーシップを通して、一つのまとまった音楽になる。(かっこいいです)

②一方、カールソンという研究者は、「むしろマリオネットだ」といいました。大勢の人が操り糸を好き勝手の引っ張り、てんでんばらばらにマリオネットを動かそうとする。(かわいそうです)


でも実際、多くのマネージャーが一番共感するのはセイルズという研究者が言う以下のイメージとのことです。

③「マネージャーは確かに指揮者に似ている。団員の演奏や行動を調整し、調和のとれた音楽を生み出そうと努めなければならない。しかし個々の団員のレベルも違うし、性格もバラバラ。皆、勝手なことを言うし、ときに仲たがいを始めたりする。舞台係からは、どこに楽譜台を置けばいいのかみたいな細かいことを尋ねられ、ホールが暑いの、寒いので空調にも気を配らなければいけない。スポンサーは、どたんばになって曲目を変えてくれと理不尽な要求をしてくる」

ここで言う指揮者というのは本番の勇壮な姿ではなく、あらゆる不都合が立て続けに立ち上がり、そのたびに迅速な修正をしなければならないリハーサルの姿だということです。

僕は、これにすごく納得しました。これまでの社会人生活の中で、接してきた多くの管理職は、みんなこんな感じで仕事をしていたように思います。

●マネージャーと権限について。
マネージャーでない人が新人マネージャーになると、頭に最初によぎるのは。「よし、これで決定を下して命令を出せるぞ」ということです。しかし、すぐに権限が与えてくれる力はごく限られたことだと気づきます。
おかしいぞ、これは権限が小さいからだ、下が言うことを聞かないのがおかしいんだ、と悩みます。しかし、あるときに気づく訳です。「そうかマネージャーになるとは“ものごとを成し遂げるために、、、それまで以上にほかの人に依存することだったんだ”」と思い知る、、という話です。
これにもすごく納得しました。権限があれば成果が出せるなんてもんではないんです。首相や東電の社長をみればすぐわかりますでしょ。

●ベーコンエッグへの貢献の話。

じゃあ、マネージャーって、どういうものなんだろう。ひどい例えがありました。朝食のベーコンエッグをつくるために、ニワトリは卵を提供することで参加し、貢献していますよね。しかしブタは、文字通り、わが身を提供しています。コミットメント、献身とはこのことだ、ということです。

そして、マネージャーとはマネジメント、組織、ミッションに、社会に、ベーコンエッグのブタのように、どっぷり浸からないと機能できない、ということです。ほんとヒドイ仕事なんですね。



●松下幸之助さんの例え

最後はパナソニックの創始者、松下幸之助さんの話。
「大きなことと、小さなことに対処するのが私の仕事。中程度の問題は部下に任せればいい。」 
リーダーたるもの、大小にかかわらずマネジメントに関わることを他人任せにしてはいけない、ということでしょうか。 マネージャーは大きな仕事をやるために存在するのでなく、部下に任せられるようなルーチン業務以外の、面倒なことばかりを引き受ける損な役回りなんですね。


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